〜とある北大漫研の一日〜
北部生協が開いて間もない金曜の朝,一限前。早くから学校に来ている誰かがボックスを訪れる。
「……もう少し片付けようぜ」
彼はボックスのテーブルの上を整理して去っていく。一限が終わり,11時を回る頃,新たな誰かが顔を出す。
「誰もいないのかよ……」
彼はソファーに腰掛け,昼飯のパンを食べながらジャンプを読んでいる。やがて昼休み。がやがやとボックスのソファーが埋まり出す。
「おっす」「よう」「あれ観た?」「なんか凄い展開だよな」
がやがや。12時過ぎには3人掛けのソファー×2+αが埋まっている。常備のノートに落書きをする者,漫画やアニメの話をする者,人によって様々だ。そこに現れるのは,次の会誌の編集長。
「おいこら原稿出来たか」
「おう,今出るぞ」
取り出された原稿が,編集長に手渡される。
「そっちはどうよ?」
「今トーン貼ってるんでもう少し待ってください」
カッターでトーンを削りながら答える。年2回発行の同人誌である会誌,毎月発行の会内報であるSICOMの〆切直前には,これもよく見られる光景だ。
「例会までには出来るよな?」
「たぶん,なんとか」 |
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やがて昼休みが終わり,授業のある者は三々五々散っていく。残った暇人は落書きをしたり,本を読んだり,適当にだべったりしながら時間を潰している。
「そういや次のSICOM,何部刷るの?」
「50部あれば足りるだろ。会員40人ちょっとだし」
人が何度か入れ替わりながら,午後の時間がゆっくり流れていく。そして午後6時を過ぎ,皆が席を立ち始める。向かう先はクラーク会館。金曜午後6時半からは,週一度の例会だ。会の運営に関わることが,この場所にて話し合われる。
「それじゃあSICOMの編集長,何かありますか」
「はい,今日〆切ですので原稿出る人は私のところまで」
「次,コンパの話ですが――」
そうして例会が終わると,ぞろぞろとどこかへ食事に向かう。そうしてあとは各自勝手に金曜の夜を過ごす。誰かの家で酒を飲んだり,家に帰ってゆっくりしたり。
「――あ,そうだ,原稿描こう」
北大漫研は,そんなサークルである。 |