新入学生に望む
副学長  冨 田 房 男

  難関を突破して入学された新入生諸君に心よりお祝い申し上げます。また北海道大学を選んでくださったことにお礼を申し上げます。
  まず最初に新入生諸君にお願いしたいのは、本学の開学以来の理念である「フロンティアスピリット」と「全人教育」を十分に認識し、カリキュラム、シラバスそして教官及び先輩のガイダンスをよく検討して、自分の将来設計と適合するように科目を選んで学んでいただきたいということです。
  最近、学生諸君の授業(特に初年次)についてのアンケートをみると、「高校時代の延長のようだ」とか「早く専門の授業を」と言った意見を見受けます。しかし、大学と高校との違いの最も大きいところは、自分から学ぶ姿勢が前提となっているのであって、授業で受けたことを覚えるだけでは、全く不足であると言うことです。また、時と場合によって我々自身の感受性、理解力は変わります。従って初年次に於いては将来の基礎になる学問領域を改めて学ぶこと、さらに意識的に新たな学問領域を履修することが大切です。
  現在は、これまでの科学技術の急速な進歩がもたらした様々の成果を享受していると共に、一方ではそのために生じた環境破壊や心の問題に悩んでいる時代でもあります。そしてややもすると反科学的な意見がよく見受けられます。これは科学の進歩の速さに生物としての人間の変化がついてこれない側面が出てきたのであって、科学の進歩自体が悪いことではありません。また、人間と際限のない科学技術の発展との調和が21世紀の課題とも言えるでしょう。そこで、これからの時代を担う新入生諸君にお願いしたいのは、独善的な反科学的思考は実に危惧すべきことであることをよく認識し、適切でバランスの取れた学習をして一般大衆との「科学知識の差」を埋め、無知からくる恐怖を解消するように働いてほしいということです。また、これからの多くの問題は、個別の専門家では扱えず、広い領域の交流と協力が新しいフロンティアを作り出すことになるでしょう。皆さんには、そのための基礎を学んで頂きたいと願っています。
  最後に、どうか北海道大学での青春時代が最善を尽くしてなおかつ楽しかった、素晴らしかったと言えるように過ごされることを願っております。

 

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