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法学研究科川島真助教授にサントリー学芸賞

 このたび,法学研究科の川島真助教授に,財団法人サントリー文化財団よりサントリー学芸賞(政治・経済部門)が授与されました。
 この賞は,前年1月以降に出版された著作物を対象に選考され,広く社会と文化を考える,独創的で優れた研究,評論活動をされた方に対し贈呈される賞であり,今回が第26回目にあたります。同氏の『中国近代外交の形成』(名古屋大学出版会,平成16年)が,中国外交史にまとわりつく「価値の束」を乗り越え,中国の档案(とうあん)(公文書のこと)に基づく実証研究による「事実の束」の提示によって,中国近代における外交の意味を明らかにしたことが高く評価され,今回の受賞に至りました。
 同氏は,昭和43年東京都生まれ。平成9年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学(東洋史学専攻)。日本学術振興会特別研究員を経て,平成10年より北海道大学法学部助教授に就任されました。
 同氏は,本書において,従来付与されてきた弱国無外交,軍閥傀儡(かいらい),分裂混乱といった20世紀初頭の中国のイメージや,中国外交をめぐる言説にまとわりつく「中華思想」などの説明の枠を相対化し,またそうした歴史の議論と現代とを直結させる安易な歴史決定論や中国特殊論を批判し,膨大な外交档案に依拠した綿密な実証研究を積み重ねることによって,当時の外交官が目指していた「近代化」「文明国化」志向や,中央と地方が共にそれに基づく「外交」をおこなうことで「中国」という主体が維持されていたことを明らかにし,「絶学」といわれた中国外交史に新たな地平を切り開きました。
 また,外交史研究以外にも,日本,中国,台湾における史資料の所在状況の調査や,満州・台湾におけるラジオなどのメディア史,日露戦争と中国,戦後補償問題,現代中国・台湾外交なども精力的に研究され,またその成果をホームページ,テレビ番組などで積極的に公開されています。
 今回の受賞を契機として,今後さらに中国外交史をめぐる様々な問題の解明に対する貢献が期待されています。

サントリー学芸賞授賞式 サントリー学芸賞授賞式
サントリー学芸賞授賞式
(法学研究科・法学部)

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