北海道大学案内 2006
 
 
 
 
新しい研究の流れ
21世紀COEプログラム 21世紀COEプログラムとは,世界的な研究教育拠点の形成に必要な経費を文部科学省から補助するものです。このプログラムは,我が国の大学が世界のトップレベルの大学と肩を並べて,教育及び研究水準の向上や世界をリードする創造的人材を育成していくために,競争的環境を作り上げ,学問分野ごとに世界的な研究教育拠点の形成を重点的に支援することにより,活力に富み,国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進することを目的としています。
現在までの拠点採用件数トップ10大学
順位 大学名 拠点数合計 平成16年度 平成15年度 平成14年度
1 東京大学 28 2 15 11
2 京都大学 23 1 11 11
3 大阪大学 15 1 7 7
4 名古屋大学 14 1 6 7
5 東北大学 13 1 7 5
6 北海道大学 12 2 6 4
6 東京工業大学 12 3 5 4
6 慶応大学 12 0 7 5
9 早稲田大学 9 0 4 5
10 九州大学 8 0 4 4
平成14年度採択拠点(4件)
心の文化・生態学的基盤に関する研究拠点
 変革期にある人間・社会科学の今後50年の方向を定めることになると考えられる最も深く困難な問題「人間の社会を可能としている心のメカニズムの解明」に取り組みます。20世紀後半を支配した社会科学におけるタブラ・ラサ(白紙の心)の神話が崩壊しつつある現在,科学的な研究成果にもとづく新たな人間観の構築こそが,これから生まれる新たな社会科学にいま最も強く求められています。この新たな科学的人間観構築のために必要とされる科学的な基礎データを提供します。
バイオとナノを融合する新生命科学拠点
 1)タンパク質,糖鎖,脂質の構造機能解析に焦点をあてた基盤生命科学研究とその展開としての創薬・テーラーメイド治療研究を含むポストゲノム科学研究,2)新解析技術やバイオ新素材の開発につながるナノテクノロジーの飛躍的発展を図ると共に,3)両者を融合する新しい研究領域,ナノバイオサイエンスを開拓します。
生態地球圏システム劇変の予測と回避
 地球全体で環境破壊が進んでいます。人類が二酸化炭素をまき散らしたために,温暖化が進んでいますが,一方で森林破壊はそこの生物種を絶滅させるだけでなく,二酸化炭素を吸収する森をなくしてしまうので,二重に悪影響を与えます。地球環境を守るには日本人に理解をしてもらうと同時に,世界の人々にも同じように関心をもってもらうことが必要です。そのために,アジアの若者も地球環境の勉強に取り組む機会を持てることが大事です。
知識メディアを基盤とする次世代ITの研究
 知識メディア技術,量子ナノ技術,知的通信技術を融合し,新アーキテクチャ量子集積回路とそれを用いた通信機能つき微細知識担体(IQチップ)技術,及び,それらを利用し稠密に遍在する知識の連携・探索や高度な再利用を可能とする知識メディア技術を研究開発します。
平成15年度採択拠点(6件)
人獣共通感染症制圧のための研究開発
 近年,野生動物に由来する人獣共通感染症が世界各地で発生しています。さらに畜産物,飼料,野生動物やペットの輸入の増加に伴ってこれらがわが国に侵入する危険が増しています。本プログラムでは人獣共通感染症の診断,治療,予防法を研究開発するとともに,その制圧対策を指揮できる人材を養成します。
流域圏の持続可能な水・廃棄物代謝システム
 安心・安全で質の高い生活ができ,国際競争力があり持続的発展ができる日本を築くため,環境,都市域水・物質・エネルギ−循環システムの再生と創造及び流域圏自然循環・共生システムの維持と創造を目指します。本プログラムでは(1)流域圏の水代謝システム,(2)流域圏の廃棄物代謝システム,及びこれらの構築と運用を支える(3)社会基盤施設管理システム,の開発に取り組みます。
新・自然史科学創成
 地球表層を構成する岩石圏,水圏,大気圏そして生物圏がどれだけ多様であるのか。そこにいかに多様な物質や生命が存在しているのか。私たちの知識はまだまだ不十分です。人類や多くの生命がこの地球で共に生存を続けるには,自然界における多様性を認識し,その起源と進化を明らかにすることが必要です。本プログラムでは,地球科学分野と生物分類・進化学分野の融合により,自然界,とくに人類の生存圏である地球表層圏の多様性と進化を包括的に理解するための研究教育を行います。自然誌学(博物学)から分化した地球科学と生物分類学・進化学の2大領域を,現代的な視点から再統合し,新しい学問領域である「新・自然史科学」を萌芽発展させることが本研究教育拠点の目的です。
特異性から見た非線形構造の数学
 自然や抽象的な数学の事象(数や図形や関数や方程式など)には驚くほど多様で豊かな現象が存在し,我々を魅了します。それらを記述し(数学モデル)詳しく解析しようと試みると,ある複雑な仕組み(非線形性や特異性)が我々の前進を阻んでいることに気づきます。しかし,これらは避けて通ることができないもののようです。なぜならばこの非線形性や特異性自身が現象をより魅力的にしている正体であることが最近分かってきたのです。本プロジェクトは数学の様々な分野(代数,幾何,解析,数理科学など)の有効な方法を用い,さらには発展させることにより,この豊かな現象を解明しようと考えています。
新世代知的財産法政策学の国際拠点形成
 経済の発展と万人による知的財産の享受を確保するためには,情報としての知的財産の特質をふまえた知的財産〈法学〉を構築するとともに,国際的状況や実務の問題状況を踏まえた戦略的・政策的観点を重視し,それに方向づけられた体系的な〈政策学〉に発展させなければなりません。本拠点は,このような新たな学際的学問分野の構築を目的とします。
スラブ・ユーラシア学の構築
 スラブ地域研究に関する世界的研究拠点としての実績を踏まえつつ,地域研究を開放性や相関関係の方向で刷新し,スラブ・ユーラシア地域(旧ソ連東欧社会主義圏),ひいてはユーラシア全体に関する新たな認識の枠組みを提示することが目指されます。また,従来の硬直的な地域認識の枠組みを越えて,創造的に地域を研究する若手研究者を育成します。
平成16年度採択拠点(2件)
トポロジー理工学の創成
 トポロジーとは「構造を連続変形したときの不変的性質を探る」学問です。本プログラムでは,世界初のメビウス結晶の発見,粘菌ネットワーク知性の発見,トポロジカル欠陥秩序の発見,フラクトンの実証など拠点メンバーの独創的研究実績に基づいて,多様な科学における複雑現象をトポロジーの観点から統一的に理解し,それらを応用していく新しい学問「トポロジー理工学」を創成していくことを目指します。
海洋生命統御による食糧生産の革新
 世界人口は62億人を超えて増加し,このままでは深刻な食糧危機が予想されます。本拠点は残されたフロンティアである海洋にすむ生き物の多様で柔軟な生命機能を開発し,人為生産の難しいウナギをニジマスなど養殖魚に産ませるような革新的な生産技術を創出します。さらに,新技術により作られる食糧資源の高度で安全・安心な活用のため,機能性,病原性,毒性ならびに自然環境へのインパクトなどを多角的に研究し,新時代の食糧生産システムを構築します。また,このような活動を通じて,世界最高水準の海洋生命科学の研究教育拠点をささえる次世代の人材を強力に育成します。

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