比較形態機能学講座
本講座は解剖学,生理学,生化学と薬理学の4教室から構成されています。 本講座は,これら4教室が分担する自然科学の専門領域の研究と教育を行うことによって,獣医学の基礎分野を担っております。 平成7年度から大学院講座として発足することになり,構成4教室でこれまで行ってきた各専門領域の研究を更に発展させると共に,各教室の構成員の間に共通する研究領域を探り,共同研究によって研究の発展を計ろうとしています。 これら共同研究のテーマとしては,発生学,ニューロンとバラニューロンの細胞生物学,刺激分泌連関,細胞内シグナル,中枢神経系におけるエネルギー代謝などが考えられます。 構成員相互の研究内容,目的と興味について,お互いの理解が進むにつれて,これらのテーマの共同研究の実をあげ,更には新しい境界領域の開発研究をも進展させ,我が国と世界の生命科学の研究発展に寄与したいと考えております。
動物疾病制御学講座
動物疾病制御学講座は家畜,犬・猫などの伴侶動物の感染症の病原体であるウイルス,細菌,原虫,寄生虫ならびに病原体を伝播する吸血昆虫などを扱う,微生物学,感染症学,寄生虫学教室に加えてヒトの疾患モデル動物に関する研究を行う実験動物学教室の4研究室から構成されています。感染症の制圧を目指して,宿主である動物側と病原体側の相互作用を個体から分子のレベルで解明しています。現在,本講座では「人獣共通感染症制圧のための研究開発」がスタートし,ヒトと動物の共通感染症の病原体の生態,病原性,検出技術及び制圧対策の研究開発が活発に行われております。その成果が地球規模のヒトと動物の感染症対策に応用されることを目指しています。
診断治療学講座
本講座は獣医内科学教室,獣医外科学教室,比較病理学教室,繁殖学教室及び臨床分子生物学教室からなっており,学部及び大学院生を対象とした教育と研究のほか,附属家畜病院における診療を担当しています。本学の附属家畜病院には最高レベルの獣医臨床を社会へ供給する使命が課せられており,来院するペット,産業動物および野生動物に最適な治療を施す一方,先端的診断治療技術を開発し,臨床へ応用する努力が各教室で行われています。
各教室では,動物の病気の発生過程に関する分子レベルの研究,早期診断及び治療法の確立を目的としたゲノムサイエンスの応用と画像解析技術の改良,生産性向上のための新しい繁殖技術の開発などが研究されており,これらの基礎研究が附属家畜病院の診療と学部・大学院教育の基盤となっています。
環境獣医学講座
公衆衛生学教室:SARS,ハンタウイルス感染症,ダニ媒介性脳炎,ウエストナイル熱などウイルス性人獣共通感染症の予防のための研究開発を行っています。放射線学教室:環境因子として放射線,活性酸素,フリーラジカルが生命にどの様に係わっているかを解明し,その知見から新たな生命科学の研究分野の開拓を目指しています。毒性学教室:エコトキシコロジーとバイオトキコロジーの融合を目指して,多くの生物種に広く分布し,汚染物質や薬物の代謝的解毒を行う酵素,チトクロー P450中心に研究を行っています。生態学教室:大型野生動物の人口学(個体群動態学)やチベット高原などで発展型哺乳類の進化系統分類型研究を行っています。
プリオン病学講座
動物の病気を治すだけでなく,ヒトと動物をとりまく環境を健全に維持することも獣医学の使命の一つです。近年我が国では,O157大腸菌食中毒,黄色ブドウ球菌食中毒事件,BSE発生など,大きな社会問題となった食中毒事件や感染症が相次いで発生しました。また,西ナイル熱ウイルスやSARSなども何時日本に侵入するか判りません。これらは動物からヒトへ感染する感染症,あるいは動物にいる病原体や動物由来食品が原因の食中毒です。動物からヒトへ感染する病気(人獣共通感染症)や食中毒などの脅威から,ヒトの健康な生活を守るためにも獣医学の知識が必要とされ,実際に多くの獣医師が活躍しています。動物を知り,病気を知り,人間を知る獣医学だからこそ貢献できる領域であり,この分野で活躍できる人材が求められています。プリオン病学講座は,このような背景から,人獣共通感染症学,公衆衛生学,食品衛生学などの教育・研究を充実させるために,平成15年度に新設された講座です。 |