北海道大学案内 2006
 
 
 
 
獣医学部
人と動物の未来を拓く獣医学
北海道大学獣医学研究科・獣医学部教務係
〒060-0818札幌市北区北18条西9丁目 TEL:011-706-5175
E-mail:vsop@vetmed.hokudai.ac.jp
http://www.hokudai.ac.jp/veteri/
北海道大学獣医学部が目指すもの
 地球上の全ての動物生命に責任を負う自然科学が獣医学です。動物の病気の診断・治療・予防だけでなく,安全な動物性食品の供給,医薬品の開発,生物科学への貢献,野生動物の保護と管理,人獣共通感染症の制圧など,社会の多様な要請に応えることのできる獣医師・研究者を育成します。
北海道大学獣医学部が求める学生 獣医学部
  • 動物を愛するとともに,動物を科学的視点から客観的に観察できる学生
  • 生命現象に対する畏敬の気持ちと科学的な探究心とをもっている学生
  • 獣医学を通じて社会や人類に貢献したい学生
北海道大学獣医学部で何を学ぶか
 獣医学の多様な社会的使命を理解するために,自然科学だけでなく,人文・社会科学など広範な知識を習得します。また,獣医学に関わる地球規模の諸問題を解決するために,科学的な思考力と判断力及び国際的視野を養います。さらに,動物と人間の橋渡しとなる獣医師・獣医学研究者として,豊かな人間性と高度な倫理観の醸成を目指します。
コースマップ
コースマップ
専門科目の概要(これらの科目の大部分は必修です)
 初年次に獣医学概論や基礎演習を開講して,獣医学に対する一般的な理解を図り,最終年次においては専門教育の成果を問う目的で,卒業論文を課しています。また外国語科目として獣医学領域における実用英語についても教育を行います。主な専門科目は以下の通りです。
生物医科学:各種動物の臓器,組織,細胞の形態的構造,機能に加え,それらの構成成分の化学構造及び代謝,さらには生体における薬物の作用機構について教育を行います。
病因病態学: 動物の諸疾病の病原因子,特に,細菌,ウイルス,寄生虫,原虫の形態,物理化学的性状,病原体増殖様式について,更に疾患モデル動物,環境と生物生態学について教育を行います。
応用獣医学: 家畜の伝染病の発生の諸要因と予防制圧,公衆衛生学,特に環境衛生,食品衛生及び人獣共通伝染病に関する獣医学の役割,動物の疾病要因としての環境汚染物質並びに毒性物質の生体との相互作用について教育を行います。
臨床獣医学: 動物の諸疾病の内科的及び外科的診断と治療法,各種動物の繁殖生理学及び繁殖障害,更に,それらの病態発生並びに病理形態学的変化についての教育を行います。
コース紹介
 卒業論文を書くための研究を行うために,以下の5つの講座のいずれかに所属することになります。

比較形態機能学講座
 本講座は解剖学,生理学,生化学と薬理学の4教室から構成されています。 本講座は,これら4教室が分担する自然科学の専門領域の研究と教育を行うことによって,獣医学の基礎分野を担っております。 平成7年度から大学院講座として発足することになり,構成4教室でこれまで行ってきた各専門領域の研究を更に発展させると共に,各教室の構成員の間に共通する研究領域を探り,共同研究によって研究の発展を計ろうとしています。 これら共同研究のテーマとしては,発生学,ニューロンとバラニューロンの細胞生物学,刺激分泌連関,細胞内シグナル,中枢神経系におけるエネルギー代謝などが考えられます。 構成員相互の研究内容,目的と興味について,お互いの理解が進むにつれて,これらのテーマの共同研究の実をあげ,更には新しい境界領域の開発研究をも進展させ,我が国と世界の生命科学の研究発展に寄与したいと考えております。

動物疾病制御学講座
 動物疾病制御学講座は家畜,犬・猫などの伴侶動物の感染症の病原体であるウイルス,細菌,原虫,寄生虫ならびに病原体を伝播する吸血昆虫などを扱う,微生物学,感染症学,寄生虫学教室に加えてヒトの疾患モデル動物に関する研究を行う実験動物学教室の4研究室から構成されています。感染症の制圧を目指して,宿主である動物側と病原体側の相互作用を個体から分子のレベルで解明しています。現在,本講座では「人獣共通感染症制圧のための研究開発」がスタートし,ヒトと動物の共通感染症の病原体の生態,病原性,検出技術及び制圧対策の研究開発が活発に行われております。その成果が地球規模のヒトと動物の感染症対策に応用されることを目指しています。

診断治療学講座
 本講座は獣医内科学教室,獣医外科学教室,比較病理学教室,繁殖学教室及び臨床分子生物学教室からなっており,学部及び大学院生を対象とした教育と研究のほか,附属家畜病院における診療を担当しています。本学の附属家畜病院には最高レベルの獣医臨床を社会へ供給する使命が課せられており,来院するペット,産業動物および野生動物に最適な治療を施す一方,先端的診断治療技術を開発し,臨床へ応用する努力が各教室で行われています。
 各教室では,動物の病気の発生過程に関する分子レベルの研究,早期診断及び治療法の確立を目的としたゲノムサイエンスの応用と画像解析技術の改良,生産性向上のための新しい繁殖技術の開発などが研究されており,これらの基礎研究が附属家畜病院の診療と学部・大学院教育の基盤となっています。

環境獣医学講座
 公衆衛生学教室:SARS,ハンタウイルス感染症,ダニ媒介性脳炎,ウエストナイル熱などウイルス性人獣共通感染症の予防のための研究開発を行っています。放射線学教室:環境因子として放射線,活性酸素,フリーラジカルが生命にどの様に係わっているかを解明し,その知見から新たな生命科学の研究分野の開拓を目指しています。毒性学教室:エコトキシコロジーとバイオトキコロジーの融合を目指して,多くの生物種に広く分布し,汚染物質や薬物の代謝的解毒を行う酵素,チトクロー P450中心に研究を行っています。生態学教室:大型野生動物の人口学(個体群動態学)やチベット高原などで発展型哺乳類の進化系統分類型研究を行っています。

プリオン病学講座
 動物の病気を治すだけでなく,ヒトと動物をとりまく環境を健全に維持することも獣医学の使命の一つです。近年我が国では,O157大腸菌食中毒,黄色ブドウ球菌食中毒事件,BSE発生など,大きな社会問題となった食中毒事件や感染症が相次いで発生しました。また,西ナイル熱ウイルスやSARSなども何時日本に侵入するか判りません。これらは動物からヒトへ感染する感染症,あるいは動物にいる病原体や動物由来食品が原因の食中毒です。動物からヒトへ感染する病気(人獣共通感染症)や食中毒などの脅威から,ヒトの健康な生活を守るためにも獣医学の知識が必要とされ,実際に多くの獣医師が活躍しています。動物を知り,病気を知り,人間を知る獣医学だからこそ貢献できる領域であり,この分野で活躍できる人材が求められています。プリオン病学講座は,このような背景から,人獣共通感染症学,公衆衛生学,食品衛生学などの教育・研究を充実させるために,平成15年度に新設された講座です。


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