北大自由散策ツアーコース(主に修学旅行生向け)

北海道大学は東京ドーム約38個分の面積を有したとても広いキャンパスです。札幌駅周辺の都会的な雰囲気とは違い、一歩足を踏み入れると、四季折々の豊かな自然に溢れ、歴史的・学際的な建造物が立ち並んでいます。
そんな北大を知るのに一番なのは「来て、自分の足で歩いて見ること」。
このページでは、修学旅行をはじめ、北大を訪れた方々が自由に見学できるよう、3つのコースをご用意しています。また、各見どころ(@〜S)については、現役北大生が説明文を作成しています。お時間や来訪目的に応じてご活用ください。
1. 北大の歴史を探索しよう!
(地図中の赤線 所要時間約60〜90分)
このコースでは、キャンパスの南側を中心に、北大の主な名所を見学し、いろいろな歴史を勉強することができます。総合博物館では、世界的に貴重な学術標本や資料を見ることができます。
正門→E交流プラザ「エルムの森」→@中央ローン→A附属図書館本館→C古河講堂→D農学部→G総合博物館→H理学部→Iポプラ並木→J大野池→Kイチョウ並木→F人文・社会科学総合教育研究棟→Bクラーク像→解散!
2. 北大の自然を感じよう!
(地図中の青線 所要時間約60分)
このコースでは、北大の北側を中心に見学します。北18条門からスタートし、重要文化財であるモデルバーン(札幌農学校第二農場)を見て、メインストリートを見ながら南下し、イチョウ並木を通って北13条門が終着地点となります。北大の自然を十分に感じることができるコースです。
北18条門→Rモデルバーン→S獣医学部→Q高等教育推進機構→P情報教育館→O医学部→N工学部→M歯学部→Kイチョウ並木→北13条門→解散!
3. 短時間で北大を知ろう!
(地図中の緑線 所要時間30分程度)
このコースは、ゆっくり見学する時間がない方のためのコースです。札幌駅から一番近い正門からスタートし、中央ローンを眺めてクラーク像を見学し、交流プラザ「エルムの森」で北大グッズのお買い物をして、短時間ながらも北大の雰囲気を堪能することができます。
正門→E交流プラザ「エルムの森」→@中央ローン→Bクラーク像→C古河講堂→A附属図書館本館→正門→解散!
コース中の見どころ
@中央ローン
昔、この一帯は池であり、日本で初めてスキーが行われた(かもしれない)場所と言われています。1910年頃にドイツ語講師のコラーさんがこの辺りの斜面で学生たちにスキーの手ほどきをしたとか。前後して、新潟にオーストリア人のレルヒさんという人がスキーを伝えていたということで、どちらが「最初」なのかという点では議論のあるところです。現在の中央ローンを流れている小川は、コンクリートの川底を持ちポンプにより水を流している人工のものです。しかし、元々はサクシュトコトニ川と呼ばれた、北大植物園北側付近の湧水から流れ出し、北大クラーク会館の東側、中央ローン、百年記念会館の西側、大野池の南側を通り、北大の北西側に抜けて琴似川に合流する自然の川の一部でした。明治42年頃この付近はスケートリンクとして用いられ、昭和初期までは鮭がさかのぼってきたそうです。構内で一番のお散歩スポットです。
A附属図書館本館
北大には学部ごとにいたるところに図書館がありますが、北側にある北図書館とこの本館が最大のものです。この本館は蔵書が約380万冊で、その中には、北海道のみならず北太平洋及び北ユーラシアに及ぶ地域に関する資料の包括的コレクションとして知られる北方関係資料、内村鑑三、新渡戸稲造、宮部金吾など札幌農学校出身者の個人文庫、札幌農学校の蔵書を引き継ぐ札幌農学校文庫など極めて貴重な資料が含まれています。
熱心な学生が遅くまで勉強していて、特にテスト前はここにカンヅメになる学生もいるみたいです。
Bクラーク像
クラーク博士はアメリカのマサチューセッツ農科大学から教頭として来学しました。“Be ambitious!”の言葉で有名ですよね。この言葉こそが現在の北大の理念の筆頭に来る「フロンティア精神」の元になっています。クラーク博士といえば“Be
ambitious”という有名な言葉がありますが、次に有名な言葉として”Be gentleman”というものがあります。「紳士たれ」という意味です。当時学生は皆寮生活で、生活が乱れていたことがありました。そんな時クラーク先生はただBe,
gentleman(紳士たれ) といいました。 これが唯一の寮則であったということです。 こういった言葉以外にもさまざまな言葉や思想を残していきましたが、北大にはどのくらいいたと思いますか?実はたったの8ヶ月しかいませんでした。1年もいなかったのですが、そのわずかな時間の中で、北大に大きな影響を与えました。
C古河講堂
1910年に建てられた、アメリカン・ヴィクトリアン様式の建物です。国の登録文化財及びさっぽろ・ふるさと文化百選にも選ばれているとても美しい建物です。昔は、農学部林学講堂として使われ、現在は文学部の研究室が入っています。このような歴史ある建物で勉強するなんてうらやましい限りですが、1枚ガラスなので、冬になると氷点下になるとのことです。残念ながら、現在は中を見ることはできません。
この建物の名称の由来は、古河財閥が政府に献金した百万円の一部で建設されたことによるものです。北大の前身・東北帝国大学農科大学には,そのうちの14万円が分配され、8つの建物が建てられました。
何回かの修復を終え、今残っているのはそのうちの1棟です。
D農学部
北海道大学は明治9年に札幌農学校として始まりました。そのため北大といえば農学部というイメージをもたれる方もいるかと思います。現在、生物資源科学科、応用生命科学科、生物機能化学科、森林科学科、畜産科学科、生物環境工学科、農業経済学科の7つの学科に分かれており、農学部だからと言って農業だけをするのではありません。例えば、遺伝子の研究をして病気に強い作物を作る研究、森林保全の考察、家畜の研究等と幅広い研究が行われています。そんな研究活動の場となるこの建物ですが、雑誌やテレビなどで北大を代表する建物として紹介されることがあります。中央にあるのが時計塔で、昔、お昼の時報に使われていたとのことです。2階には初代農学部長の南鷹次郎と北方植物学の開祖である宮部金吾の胸像があります。この2人の他にも内村鑑三や新渡戸稲造など多くの偉大な学者を輩出しています。
E交流プラザ「エルムの森」
ここは、2010年6月にオープンしたインフォメーションセンターです。インフォメーションカウンターをはじめ、広報誌閲覧コーナーやホール・ギャラリーと北大グッズを販売する「エルムの森ショップ」,カフェも併設しています。木の温もりに溢れ、環境・省エネ対策やバリアフリーにも配慮した建物です。休憩スペースとしても、ご利用ください。
F人文・社会科学総合教育研究棟
北大には文系学部が4つあります。文学部、教育学部、法学部、経済学部です。この建物では、この4学部の講義が行われ、それぞれの学部の講義棟とつながっています。文学部では、哲学、歴史、心理学、考古学などを学べます。教育学部では、学校の先生になるための勉強をしているだけではなく、心理学やスポーツ学なども学べます。法学部では名前の通り法律と政治の勉強をしています。現役の裁判官や弁護士が講師として授業を担当しています。結構リアルな話が聞けます。経済学部では、もちろんお金の流通に関する勉強もしますが、非営利団体の機構を学ぶなど、利潤を追求することにとどまらない分野の勉強ができます。有名企業から出張で講師が来て授業をしています。
G総合博物館
世界的に貴重な学術標本や資料が多数所蔵されています。約9千万年前(白亜紀後期)の大型恐竜「ニッポノサウルス・サハリネンシス(日本竜)」の化石、英国の動物学者ブラキストンが津軽海峡に動物地理上の分布境界線(ブラキストン線)を提唱するに至った、本州や北海道で彼自身が採集した255種・約1,300点の鳥類標本や、また、明治時代から現在まで北極から南極に至る世界中の海域や淡水域から採集された膨大な魚類標本のコレクションなどが代表的なものです。土曜日に市民セミナーなども行われています。
H理学部
元々はメインストリート沿いにあるレンガ造りの建物で授業が行われていたのですが、老朽化に伴い、西側に校舎が新設されました。現在、数学科・物理学科・化学科・生物科学科・地球惑星科学科という5つの学科がありますが、宇宙飛行士、毛利衛さんは化学科の卒業生です。この理学部は、自然界を支配する基礎的な法則や理論、原理を学び、未知の真理を追究する学部とされており、自然科学の「基礎」の部分を中心に研究しています。北キャンパスにある創成研究機構では、生物科学科の高分子機能学専攻の最先端の研究が行われています。
Iポプラ並木
ポプラというのは俗名で、正式には「セイヨウハコヤナギ」といいます。このポプラが北海道へやってきたのは、明治の中頃、アメリカから防風林用に種子が輸入されたのが最初とされています。この並木の最初のポプラは1903年に植えられました。ただし、並木と呼べるほど立派なものになったのは1912年、当時の林学科の実習生によって45本が植栽されてからで、その後1959年の台風による倒木被害等を経て51本のポプラ並木になったといわれています。しかし2004年の台風18号によって51本中19本が倒れ8本の幹が曲がってしまいました。その後再生するために若木が植えられ、現在はまだ高さが不揃いですが、15〜20年でかつての姿が再現されると言われています。ポプラの寿命は60〜70年とされているので、初期に植えられたポプラは見た目は元気に見えますが、実際はすでに90年ほど生きており、現在は倒壊の危険性があるため眺めるのみです。
J大野池
大野池は構内で季節を感じることの出来るスポットの一つです。夏は鴨が気持ちよさそうに泳ぎ、秋には紅葉でカラフルに彩られます。 今はきれいな大野池ですが、汚水によって汚染された時期もありました。1921年頃、大野池周辺は農学部第二農場の牛追い場の一部となり、池は牧場に遊ぶ牛馬の飲用として、また実験農場の取水源として利用されました。昭和に入り工学部等の研究施設が大野池の周りに次々と建設され、昭和30年代の高度成長期に突入すると池周辺は半ば塵廃棄場化し、どぶ臭い湿地に変わってしまったのです。ところが昭和40年代後半、変り果てた池を元に戻そうと立ち上がったのが、当時の大野和男工学部教授です。大野教授の尽力で池は徐々に再生され、いつしか「大野池」と呼ばれるようになりました。学問の泉である大学にとって池は象徴的な存在です。大野池の再生は21世紀に向けた北大の新たな可能性を予言しているのかもしれません。
Kイチョウ並木
北13条通りの木々はイチョウ並木と言われています。北大といえばポプラ並木が有名ですが、ここは、春夏は緑、秋の紅葉の時期には黄色一色になります。その時期は北大の中でも最も美しい景色だとよく言われ、近年歩行者天国も実施されています。多くの画家や写真家に愛されているスポットなのですが、イチョウの見頃が終わると、この通りはイチョウの実で埋め尽くされ、その実を採りに多くの人がやって来ます。
このイチョウが植樹されたのは昭和14年のことです。それまでは桜と楓の並木道だったそうですが、桜と楓は病気にかかったり戦時中の防空壕の材料となり、伐採されてしまいました。そのためイチョウを植えて、今のようなイチョウ一色の並木道になったという訳です。
L薬学部
現在、1学年約80人で、4年制の薬科学科と6年制の薬学科の2学科に分かれています。薬科学科は新薬の開発研究を学ぶ学科で、薬学科は薬剤師を目指して勉強する学科です。薬学部の忙しさは北大の中でも随一です。実験はしばしば深夜に及びます。2年生の後期には、フルコマ、つまり、月曜日から金曜日の1時間目から5時間目まですべて授業が入っています。薬学部では、薬をカプセルにするか、錠剤にするか、粉末にするかなどを決める薬剤学、薬が体内でどう作用するかを決める薬物送達学・薬物治療学などを学びます。また、生命科学の研究も盛んに行われています。薬用植物園が併設されています。
M歯学部
昭和42年にできた北大の中で最も新しい学部です。現在約300人がここで歯医者になるために6年間勉強しています。歯学部に限らず、北大で学んでいる学生の出身地は北海道から沖縄まで日本全国に広がっています。また、5年生になると友達の歯を削る実習もあります。そして、歯学部の生協には模型用の歯がひとつ50円で売っているそうです。
N工学部
工学部は、現在、応用理工学系科・情報エレクトロニクス学科・機械知能工学科・環境社会工学科の4学科と16のコースに分かれています。学部生数は、約2,200人で、大学院生は約1,500人です。それに教授や事務職員などを合わせると4,400人にもなるんです。これは、北大の学生教職員総数の約1/5にもなります。なので、建物は全部で40棟近くあります。建物数、専用面積は北大随一を誇り、床屋や食堂もあります。工学部の主要な建物はアルファベットで名づけられています。
O医学部医学科
実は大正8年にできた歴史と伝統がある学部で、9,000人以上の卒業生を送り出しました。現在、約550人がここで学んでいます。この後ろに医学部食堂や購買があります。他の学部の人の多くは少し入りづらいイメージを持っているようです。 患者の生命をあずかる医師になるためということで、比較的過密なカリキュラムが組まれ、ほとんど全ての科目が必須となっています。そのため、医学部の学生はとても忙しいといわれています。
P情報教育館
情報教育館には情報メディア教育実習室と言って学生の情報処理教育に使われる部屋があり、パソコンがたくさん置いてあります。また、近年観光学高等研究センターができました。エコツーリズムやグリーンツーリズムなどといったこれからの観光についても研究しています。また、放送大学北海道学習センターも入っていて、生涯教育に力を入れています。社会人になってからもう一度勉強したい!とお思いの方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
Q高等教育推進機構
1年生全員が全学教育を受ける建物です。全学教育では、約800の開講科目から自分で時間割を作ります。文系の学生でも数学や理科を勉強したり、理系の学生でも歴史や哲学などを学ぶことができます。また、練習船での乗船実習、附属牧場での合宿といったフィールド体験型学習も行われており、玄関前にバスが停まっているのをよく見かけます。
建物の名前は東西南北の頭文字をとってE棟・N棟・S棟がありますが、なぜかW棟だけはありません。冬にはイルミネーションも飾られ、いつもたくさんの学生が出入りしてにぎやかな建物です。
Rモデルバーン(札幌農学校第二農場)
この建物は、「北海道のような寒い地域で農業を成功させるために家畜に快適なねぐらをあたえないといけない」というクラーク先生の考えで、1877年に現在の正門付近に建てられました。その後1909〜11年にこの地に移築され今に至ります。モデルバーンという名称は、「北海道の家畜舎建築はこれをモデルにしなさい」というクラーク先生の考えにちなんでいます。この建物の一部は内部まで公開されていて、明治時代に実際に使われていた農業の機械がたくさんあります。また、札幌農学校や北大、北海道の畜産の歴史に関する展示もあります。この中で羊を放し飼いにして自然の方法で草を刈るということも行われています。この建物は日本最古の洋式農業建築により建てられ、国の重要文化財になっています。
S獣医学部
国立大学の中で獣医学が学部として独立しているのは北大だけということをご存知でしょうか。それに加えて、「動物のお医者さん」という人気漫画の舞台になっているということで、全国的にとても人気の高い学部です。獣医学部入学者40名中道内出身が1名しかいなかった年もありました。
近年、「人獣共通感染症リサーチセンター」が獣医学部の奥のほうに設置され、BSEや鳥インフルエンザのような人畜共通感染症に関する研究が盛んにおこなわれています。また、国際的視野を持った獣医研究者の育成や国際貢献にも積極的です。
ちなみに、私達は獣医学部生=将来は獣医?と思いがちですが、動物用・人間用の医薬品の開発や希少動物の人工繁殖などの研究に進む人も多いようです。
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