開かれた大学 21世紀に問われる北大の真価
●特別記事
21世紀は少子化の影響が大きく、教育機関の冬の時代と言われています。しかしまたそれは、新たな教育ルネッサンスを目指す時代でもあります。 教育・研究は短期間で成果が見えるものではなく、われわれの未来の地球を支えるために、教育者、研究者、学生、自治体、企業、一般市民のすべてが共に考え、育む、地道な作業です。そのためには北大も象牙の塔という隔離された世界のイメージをうち破り、社会の現場と強固な関係を築き上げていかなければなりません。もはや学生と学会だけ相手にしていればよいという時代ではないのです。そんな新しい北大をあらわすキーワードが「開かれた大学」です。 すでに北大では、開かれた大学を目指して、多くの企画が検討され、一部は実現されています。学外向け広報誌である本誌リテラ・ポプリの発刊もその一つです。これらの試みはまだまだ端緒についたばかりですが、いくつかを具体的にご紹介します。 I 公開施設の充実
総合博物館 北大には、植物園内に農学部附属の博物館がありますが、全学の施設として新たに総合博物館が、理学部本館で昨年仮オープンしました。2001年、北大創基125周年事業として、全面的に公開される予定です。これにより北大の所蔵する膨大な資料をより多くの方々に見ていただけるようになります。 広報センター
学生ボランティア活動相談室 北大の学生・教職員もボランティア活動に参加しています。この活動は北大だけではなく、他大学、地域市民とも連携しています。活動への参加や依頼などは、この相談室にお問い合わせください。 アカデミックロビー 125周年記念事業として、一般市民にも利用していただけるアカデミック・ロビー「遠友学舎」をキャンパス内(北19条)に建設する計画があります。 これらにより、ますます多くの方々が北大キャンパスを訪れ、北大のことを知っていただけるよう願っています。 II 北大の入り方‐入口はいろいろ さて、北大のことがいろいろわかってくると、もう一歩進んで、ここで勉強をしてみたいと思いませんか。じつは難しい大学入試以外にも、入口はいろいろあるのです。
公開講座 まず、一番手軽なのが公開講座です。北大全体や各部局(学部・大学院研究科・研究所など)が主催し、講座のテーマを専門とする教員がわかりやすく解説します。開催予定はリテラ・ポプリでもお知らせしていますので、ぜひ受講してみてください。有料の場合が多いのですが、受講資格は問いません。 聴講生制度 北大の学生と同じ授業を受けることができるのが聴講生制度です。勉強の目的や分野がはっきりしている場合に向いています。北大で開講されている学部・大学院の講義の中から興味のあるものを科目単位で聴講します。受講資格は部局によって少し違いますが、おおむね、学部は短大卒程度、大学院は大卒程度です。筆記試験ではなく、科目担当者による面接によって決まります。科目あたりの聴講料が必要です。 大学院社会人特別選抜制度 北大は今後、大学院が中心となっていきます。その中で重視されるのが、大卒社会人のための大学院(修士課程・博士課程)入学特別選抜制度です。 この制度は、職業的専門性の高度化や、新たな分野への進出などを目標にする方には最適で、修士・博士の学位取得を目指します。日本の大学では社会人の大学院生が非常に少ないのですが、海外では当たり前です。聴講生の場合もそうですが、教える側としても、社会人が一般学生に好影響を与えるため、大歓迎です。北大では生涯教育を念頭に置いた教育カリキュラムを作り、この制度で入学した社会人に対しては、事情に応じて、授業を夜間・土曜日などに開講する便宜をはかっています。 もちろん現在職業についておられる方だけでなく、退職された方、次の仕事のために準備したい方なども受験できますので、詳しくは部局(各研究科)の教務掛にお問い合わせください。 教員の研究内容の検索 では具体的に北大で何を学べるのでしょうか。それを知るために北大の教員が何を研究しているかを調べましょう。まずは北大のインターネット・ホームページをご覧ください。教官全員の研究分野を紹介しています。さらに詳しい内容は各学部・大学院のホームページにあります。 III 企業との協力 大学と企業の間には、学生の就職を介したつながりのほか、様々な委託研究・共同研究がおこなわれています。いわゆる産学協同はこれから大きく広がる分野です。 就職情報資料室 北大生も求人情報をチェックしなければならない時代です。就職情報資料室では学部を問わず、就職情報を公開し、説明会などを開催しています。学外者も訪れるほどです。企業の人事担当者の方は、ぜひ、この部屋をご訪問ください。 リエゾン・オフィス 北大の全部局が持つ知的財産(科学技術情報など)を総合的に管理し、次に紹介する先端研、コラボ、T L O などとの連携の中心となる北大内部の組織です。北大という巨大なシンクタンクの中枢と言えます。現在、設立準備室ができており、4月から本格的稼働をする予定です。 先端科学技術共同研究センター
コラボほっかいどう これは「北海道産学官協働センター」の愛称で、北海道の産業界・大学等・国自治体の機関などによる共同技術開発によって、北海道経済を発展させるために設立された民間の共同研究施設です。現在、先端研の隣に建設中で、実用化・事業化を目指した共同研究がおこなわれます。 北海道T L O 株式会社 99年12月に設立された新しい方向の会社です。T L O とは、テクノロジー・ライセンシング・オーガニゼーションの略で、北海道内の大学や研究機関が開発・発明した特許や技術を企業等に利用してもらうための会社です。もちろん、国立大学が運営しているわけではなく、第三者機関と呼べる組織で、将来は国内のみならず、世界に向けて、企業等との交流窓口となるでしょう。 IV さらなる広がりへ 大学間交流協定 北大は日本国内のみならず、国際的な広がりをもった活動を続けています。教員の研究が世界的な舞台でおこなわれるのは当然ですが、大学の組織としても国際交流がおこなわれています。 現在、海外の6カ国11大学と交流協定を結んで、研究と教育の両面の提携をしており、H U S T E P という交流プログラムで、毎年、海外の大学生が1年間北大で学んでいます。また、北大生も相手大学に留学しています。この他、部局単位でも海外の多くの大学や研究所と交流協定を結んでいます。その範囲は18カ国・地域、60大学等におよんでいます。 情報の公開 北大でおこなわれている教育、研究、その他の活動については、毎年、学内の点検評価委員会が調査し、その内容を公表しています。その中には第三者評価の結果も含まれています。この報告の概要もインターネットでご覧いただけます。 このような情報公開こそ、開かれた大学のための試金石といえます。今後は本誌リテラ・ポプリでも、大学の重要な決定事項などをお知らせする予定です。 さて「開かれた大学」をキーワードに、北大の新しい取り組みをご案内してまいりましたが、これらの成否のカギを握っているのはみなさんにほかなりません。学生、同窓生、自治体、企業、地域市民の積極的な参加や建設的なご意見によって、21世紀の北大をともに作り上げてまいりたいと思います。 (リテラ・ポプリ編集部)
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