講義試聴室

新しいタイプの面白い講義を目指す先生達──
ちょっと覗いてみましょう。


 けったいな?《外国語としての関西弁
山 下 好 孝

関西弁の否定形,可能形

書く 書へん かける  かけへん

泳ぐ 泳へん およげる およげへん

話す 話へん はなせる はなせへん

立つ 立へん たてる  たてへん

死ぬ 死へん しねる  しねへん

※ 下線部はアクセント
みなさんは方言と言語の違いが分かりますか? 実ははっきり分ける基準は存在しないのです。それなら,方言と考えられている関西弁を外国語として考えたらどうだろうという発想でこの講義を始めてみました。
 関西弁の本質を北大の学生に! と思ってスタートしたのですが,フタを開けてみると関西人が何名もいるではありませんか。それなら,こいつらには日本語(標準語)を教えてやれ! ということになりました。講義の中で標準語と対照して関西弁の説明がされていきます。
 言語の本質は音です。関西弁の個々の音はそれほど難しくないのですが,いわゆるアクセントというのがかなり難しい。中国語の一声,二声,四声が関西弁にはあるのです。「気」と「木」の発音をし分けなければなりません。文法も勉強します。動詞の原形(終止形)から始め,否定形,進行形,過去形と学んでいきます。可能形になったら「言われへん」と「よう言わへん」と「よう言わん」の違いは何かなどを考察対象とします。
 講義で学んだことは次の週に小テストの中でその習熟度をチェックされます。遅刻してテストを受けなかったらもちろん0点。小テストの平均点は成績評価の半分のウエイトを占めます。
 学期の最後には期末試験。ペーパーテストではありません。学んだ関西弁を使って劇を作るのです。5,6名のグループに分かれて関西弁で脚本をつくり,劇を演じます。関西出身の学生は指導役にまわりますが,中には外国人留学生もいますから大変。各作品はビデオカメラで収録し編集した上で講義最後の日に上映され,関西弁ネイティブの複数教官によって厳しく温かく採点されます。学生諸君が作った力作は毎年CD−ROMに保存されています。
 半年で関西弁がぺらぺらに・・・・・とまでは至ってへんのが僕(ワイ)の反省点ですねん。
(留学生センター助教授)