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4月28日東京での会議を終え、フランクフルト経由アヂスアベバに向かう飛行機の中で本稿を書いている。
眼下には果てしなく続く不毛のサハラ砂漠が広がり、その中に一筋の大河が蛇行しながら地中海に向かって流れている。これがエジプトの母なる大河ナイルだ。この河の水量の2/3以上が遠くエチオピアの高地を源流としている。アフリカのエチオピアに私が赴任して既に2年近くになるが、この大河を見るにつけ、1500〜2000ミリの雨が毎年降りながら、1千万以上の人々が旱魃と飢餓で被災し、大部分の農民が100ドル以下〔1人あたりGDP〕の貧困に苦しむエチオピアの人々のことを思うと、複雑な思いに駆られる。
思い起こすに、象徴的に言えば、21世紀は9・11のテロに明け、アフガン解放、イラク戦争と続いた。今はSARSが世界を震撼させている。次は北朝鮮の核問題が焦点になろう。しかし20世紀から引き継いだ負の遺産はまだまだある。アフリカで起きている紛争、食糧危機、貧困の問題もそうだし、パレスチナ問題もテロの問題も解決の糸口は見出せていない。次世代に引き継ぐ前に解決せねばならないことは山積している。バブルがはじけ再生の道の見えない日本を筆頭に、アメリカ、イギリス、ドイツの先進諸国経済も黄色信号が点滅している。世界はきっと生産〔供給〕過剰に陥っているのであろう。北海道も日本と同様、経済が低迷し、袋小路の中に迷い込んでしまった。難問を多く抱え、軋む国際社会の中で、欧米の賢者の間では新しい枠組み作りに向けて模索する気配も感じられる。北海道の中に居て、北海道の今後のあり方を考えても閉塞感が先立ち、何も見えてこないかもしれない。グローバルな経済の枠組みの中で相互依存を深める国際社会においては、自分が、北海道が、日本が、為すべきことは、この広大な世界の中にこそ、そのヒントが隠されているのではなかろうか。世界で何が起き、それがどちらの方向に向かっているのかその事実をこの目でしっかり確認しよう。メディアの眼ではない、自らの目と研ぎ澄まされた感性で世界の動きを捉えてこそ、自らの存在意義と将来展望が見えてくるのではなかろうか。

タナ湖を水源とする青ナイル川 これが遠くスーダンのハルツーム付近でナイル河に合流する |
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