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北大の研究林は約7万haで、大学としてはおそらく世界で最大の面積を保有しています。雨龍研究林は、道北に三つある大きな面積の研究林の一つで、札幌から北へ220km、石狩川の支流である雨龍川の源頭部に位置し、面積は2万4千haです。
教育・研究フィールドとしての雨龍研究林の特徴は、第一には1978年2月にマイナス41.2度を記録した冬の寒さと新雪深の年間累積が20m近くに達する多雪地帯に位置していることです。第二には針広混交林で覆われていますが、蛇紋岩地帯のアカエゾマツ林、河畔林やミズナラ純林、広大な湿原と湿原生アカエゾマツ林、人為的に造成されたカンバ林のほか、酪農用の草地と畑作耕地を含み、多様な生態系で構成されていることです。第三には研究林の中央部に朱鞠内湖(人造湖)を抱え、それぞれの生態系を貫流する主要河川がすべて湖に注いでいることです。 研究林運営のグランドデザインは、多様な生態系と生物多様性の保全を目指した教育・研究フィールドづくりへと10年ほど前に転換しました。現在、天然林の復元を基本にして長期観察林や樹木フェノロジー(生物季節)の観察、酸性降下物や水質・量水観測、野生生物の長期的なモニターリングに取り組んでいます。北大牧場とは「道産和種馬の林間放牧試験」、低温科学研究所とは「大気と森林生態系との炭素循環の観測」の共同研究が開始されています。また、総合地球環境研究所や国内外の研究機関と共同で森林―湿原や農地―湖の水質変化や物質循環の研究が流域スケールで続けられています。今年から国立環境研究所などとの共同で天然林の炭素吸収機能の定量化研究に取り組む予定です。
湖底に沈んだ森林では樹高55mのアカエゾマツが記録され、今もなお樹高40mを超えるアカエゾマツが研究林に残されています。地形的には三方が高い山で風から守られ、安山岩が風化した埴質で深い土壌ですから、時間をかければ50mを超えるアカエゾマツ林を復元することも夢ではありません。
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