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昭和34年に農学部農芸化学科を卒業し、大阪の石油会社に勤務の後、昭和38年に留学しましたので、満41年アメリカに住んでいます。その間に私の専門も農学部から工学部の環境工学、水資源工学へと移って行きました。仕事は、アメリカ大陸を中心に、地中海沿岸諸国、中東、北アフリカ、中国、シンガポールなど水資源が逼迫している国々が舞台です。日本では、1996年に東京大学、1997年に北海道大学の客員教授を務める機会がありました。また、国土交通省(建設省)の河川や下水道部局との交流も続いています。
環境問題が地球規模で語られ、持続可能な都市のメタボリスム―物質循環、水循環、新エネルギー開発といった物理的な指標に加えて、新しい経済、社会、教育システムのコンセプト構築の必要性が論じられています。巨大で、複雑で、多様な「都市」に世界人口の約半分が生活していると言われています。メキシコシティ、東京、サンパウロ、上海といった巨大都市が自然を破壊し、人為的変革を余儀なくされ、生きものの福祉を脅かしています。
いま、この開発に代表される20世紀の水資源、環境政策から、持続可能なリサイクル社会へのパラダイムシフトが起こり始めています。私の専門の下水処理水、排水の再利用も、都市の中にある新しい水資源として注目を浴びています。灌漑用水、景観用水、河川維持用水、高層ビルなどでの水洗便所用水、地下水涵養水など、様々な用途への水再利用が実施されています。21世紀の都市の水循環構造の再構築にあたって、より環境への影響の少ない水運用が必要なためです。問題点としては、再利用水の安全性、経済性、容認性などがあります。幸運にもこの分野の研究と実践で、2001年度のストックホルム水賞をいただくことが出来ました(写真参照)。67才をむかえましたが、水再利用の「教科書」の執筆にチャレンジしています。

スウェーデン国王カールXVI世グスタフより
2001年ストックホルム水賞を受賞 |
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