私と北大との出会いは、17歳の頃へ遡ります。
当時高校生だった私は幼少期からのエンジニアになりたいという夢を抱え、北大のオープンキャンパスに参加しました。そこで出会ったナノレベルでの半導体微細加工技術の世界に魅了され、2003年春、工学部電子工学科(当時)に入学しました。大学生活では、学会発表や実験・ゼミを通して、エンジニアとしての考え方の基礎を学ぶことができましたし、同時に、サークル活動(ジャズ研究会)を通じて出会った仲間とともに演奏活動を行い、共に語り明かし、かけがえのない友情を築くことができました。こうして、2009年に情報科学研究科で修士号を取得し卒業するまでの6年に渡り、四季に応じて美しい変化を見せる札幌キャンパスの中、有意義な時間を過ごしました。
その後私は、中規模の半導体メーカーへ就職し、千葉へと移りました。エンジニアになるという夢を叶え回路設計者という職を得た私は、ものづくりの厳しさと面白さに直面する日々を送りました。自分の情熱を傾けられる仕事は喜びと同時に大変な面も多かったですが、あの時期に集中して業務を遂行したことは私の財産になっていると感じています。また、中規模の半導体メーカーならではの多岐に渡る業務を執り行い、職場内での横のつながりを意識する必要性を感じるたび、学生時代北大で培った勉学やコミュニケーションの基礎があってよかったと感じたものでした。
そうした日々を重ねるうち、私の中で生まれ育った北海道へ戻り地域へ貢献できるような仕事をしたいという思いが強まり、2012年4月、技術職員として北大に戻ってまいりました。技術職員とは、主に大型装置の運用や学生実験の支援など、研究・教育の両面からサポートを行う職員のことを言います。現在私は、情報科学研究科にて、半導体の微細加工装置の運用支援を行っており、様々な加工技術を実際に実験室で手を動かしながら学んでいるところです。この分野(最先端の半導体デバイス研究)では、毎年たくさんの論文が出版されていますが、具体的な加工技術に関する記載が少ないので、日々試行錯誤しながらより良い解決策を見出す過程に、この仕事の面白さを感じています。また、札幌に帰ってきた4月以降、北海道の四季の美しさや人のおおらかさ、食べ物や空気の美味しさに、いまいちど感動し楽しい毎日を送っています。
私の技術職員としての仕事の意義は、未来の社会を創る学生を育む環境を整備し、先生方に独自性の高い研究に注力していただけるよう地道な支援を行うことで、北大の国立大学としての価値や研究力をより高めるという点にあるのではないかと考えます。微力ながら、そのお手伝いが少しでもできるようこれからも前向きに仕事に取り組んでいきたいと思っています。
(たかやま じゅんいち)


イエロールーム内での作業風景。試料が感光しないように、紫外線を含まない照明を使用している。(左が筆者)