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法と詩 菅原道真の「声」
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これからの夢

本当の国際人って何でしょうか?
やはり文化を理解してこそ本物ではないか。





大学院での研究を教育にフィードバックしたいんです。

このあたりでお三方にこれからの夢を伺いたいのですが。
森田
一番やりたいのは朗読ですね。私やっぱり少年少女文学を読みたいですね。
金吉
森田さんの日本語は、昔からとっても綺麗でしたものね。
森田
えっ? そうだった? ありがとう。でも声って自分ではわからないものですよ。平均寿命は延びましたけど、年齢と共に本を読んだりするのは大変になりますよね。そんな体もだんだん弱ってきた時に、自分がかつて好きだったものを読みたいってきっと思うでしょうね。それを残したい。ナレーションというのは、まず映像があって、それをわかりやすく伝える、いわば音声進行役という意味合いが強くて、自分自身を出すわけではない。でも朗読者は、自分をさらけ出す人です。その加減によっては作品の良さが損なわれる。だからとても難しくて、今のところ勇気が出なくて、やった事がないんです。それでも、いつか思い切って朗読をしてみたい。
ゆはず
私は、自分の場合の研究と学生の教育と2つの柱があると思うんです。自分自身の研究というのは、今から2000年ほど前の中国の古典を読んでるわけですが、自己満足に終わりたくない。例えば、現在、日本が直面している問題に対しても、必要な時には古典に基づいて、日本人・東洋人の思考様式はこうだからこうなる、だからこうすべきだと、わかりやすく助言できるようになりたいと思っています。もう一方で、教育は重要だと思います。これからの大学というのは、やはり研究だけではなかなか難しい。その中で、学生に対しては、単に外国語を流暢(りゅうちょう)に話すというだけではなくて、本当の国際化とは何か、外国人そして日本人の思考の仕方とか、それぞれの歴史・文学を理解してこそ、真の国際化だと、そういう見方、ものの考え方を教えたいものです。
金吉
私の場合、大学卒業してずっと同じ学校で英語の教員をしていて、自分なりに勉強していかなくては、という気持ちはいつもあったのですが、教育の現場というのは本当にいろいろすることがあって、自分の勉強までにはなかなか手が回らなかった。それがやっぱり、高校の現場の状況なんですよね。それで、北大大学院に国際広報メディア研究科ができて、私が待っていたのはこれだって、さっそく受験しました。社会人も受け入れてくれるところでしたし。今すごく大事なのは、現場の先生と、研究者の中間点にいるような人たちが、大学で研究されている事を現場に戻したり、あるいは、現場の状況を大学の研究に反映していくことではないかなと思います。私は、そういう中間の位置で、何か仕事ができるのではないかと思っています。
高校生へのメッセージ
最後に、現役の高校生へのメッセージをお願いします。
ゆはず
大学ですと、4年間の間には、その時にはそれにあまり意味が感じられないようなことでも、後々プラスアルファとして生きてくるものがあるって大切じゃないかと思います。
金吉
そうですね、私は女の子ばかりの高校で教師として働いてきたので、よく10年後どんなふうになっていきたいか考えてみたら?と話をしてきたんですよね。それから高校生の場合は、何をやりたいかっていうのがまだ定まってない部分がたくさんあると思うけれども、それを見つけるためにはやっぱり何かこう色んな事を一生懸命やっていくっていう土台作りがすごく必要なんじゃないかなと思うんです。私は高校のとき合唱部だったんです。もうほとんどそのために高校行ってたって感じで。いやもうお勉強の事は一切こっちに置いといて。
森田
今も歌ってるの?
金吉
いや、もう今は歌ってないんですけど、だからほとんど高校で燃え尽きて。
森田
高校生のみなさん、君たちの体力がうらやましい(笑)。みなさんは、きっと目の前にやらなきゃならない事がいっぱいあって、それをするのに精一杯と思っているでしょうけれど、高校のときのエネルギー、体力というのは、とてつもないものがあって。だから、今やらなければならないものの他に、心の奥底にある好きな事に対しても注ぐだけのエネルギーを、君たちは持っていると思うんです。だから、やらなければいけない事と、好きな事に、同時進行で君たちのエネルギーを注いでほしいと思います。というのも、あるものに到達する道は1つではないからです。私は浪人もしてますし、就職もかなりボツで、ほとんどオールボツというか、拒絶され続けたけれど、その時は、自分は誰にも望まれていない人間だと思っちゃったり、自分の能力はこれまでだと思い込んで、ベッドから出たくないぐらい落ち込んだりしたんです。でも、やりたい事に近づく道って1つじゃなくて、いろいろな角度から見てみると、いくつも入り口が見えてくる。1個閉じたからといってそれで全ておしまいだとは、決して思わないでほしい。1個はあくまでも100も200もあるうちの1個だと思って、残りの99個にチャレンジする。そのエネルギーが、皆さんにはあるはずです。中年になって、身にしみて思います(笑)。
今日は、たくさんのお話ありがとうございました。
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