3.文系部局

○行動科学/異文化心理学  文学研究科・助教授・結城 雅樹

授業内容・工夫等について

昨年度の授業評価(科目名「行動科学/異文化心理学」)で良い評点を受けたとのご連絡をいただきました。大変嬉しく,かつ光栄に思うとともに,日頃から研究・教育活動を支えて下さっている同僚の教員の皆様,また事務職員の皆様に心より感謝申し上げます。以下,私が授業で留意した点等について報告いたします。何かの参考になれば幸いです。

1. 授業の目的・内容

国際比較研究を中心とした,比較文化的手法を用いた社会心理学研究を概説した。特に,対人関係や社会集団の中における個人の心理や行動に対する文化の影響,およびそうした文化差が生じる適応論的・社会構造的要因の解明に焦点をあてた。この分野の研究史・方法論を概説するとともに,最新の研究成果や論点を紹介した。

2. 授業実施上の取組・工夫

1) 毎回の講義で,ほとんど講義ノートそのものとも言える詳細なプリントを配布した。これについては,学生の授業に対する集中力を削ぐのではないかという危惧もあった。だが,結局はノート取りに注意と時間を取られることなく講義内容に集中してもらえたのではないかと感じている。この解釈がおそらく正しかったことは,本年度1学期に私が担当した昨年とほぼ同一内容の授業に対する学生の感想文の内容からも確証されている。本年度は試しに,プリントの内容を大まかな要点のみを記載した簡潔なものに変更し,板書やスライドを多用してみた。すると,「授業の進行が速すぎてついて行けなかった」とのコメントを多数受けたのである(もちろん,これだけが原因だとは単純には結論づけられないが)。というわけで,本年度の授業評価はきっと高くないだろう;残念…

2) 授業中に実験やアンケート調査などの実習を行い,そのデータを学生自身に分析させたり,あるいは講師が授業終了後に分析し,後日分析結果をフィードバックしたりすることにより,この分野の研究が行われるプロセスを疑似体験させた。

3) すでに確定している知見ばかりではなく,過去数年間に新たに発見された現象,現在論争が行われており解釈が確定していない現象,などを積極的に紹介することにより,科学的知識がどのように深められていくのかについてのプロセスの一端を伝えた。

4) 学生にとって身近な話題,それも特に学生にとって「耳の痛い話」を,講義内容と絡めつつ事例として積極的に用いた。この挑発により,学生を感情的にインボルブさせることを心がけた。

5) 昨年は講師自身が体調を崩していたので,それを強調し,学生の同情を買った。

3.アンケート結果に対する意見・今後の対応

他者からよい評価を受けることは,社会的動物としての私にとって大変喜ばしいことである。今回の結果をきっかけに,さらに調子に乗って今後もがんばろうかと思う。ただ,こうした高い評価を受けることにより処遇の改善が期待できたり,少なくとも賞状の一枚でもいただけたりするのであれば,よりモチベーションが上がるというものである。執行部のご一考を期待したい。


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