4.理系部局

○生物学II  地球環境科学研究科・教授・大原 雅

1. 授業の目的・内容

「生物学II」は,全学教育科目で1年生の後期に開講されている講義です。現代の生物学は,遺伝子操作や細胞融合をはじめとするバイオテクノロジーを産み出すとともに,現在の環境問題に対処していく上でも重要な位置を占めるなど,人間社会や文明に大きな影響を与えています。この講義では,生命の設計図である遺伝子,生体の基本単位である細胞について確かな知識を修得すると共に,生理,分類,生態,進化といった側面についても理解を深めることを目的としています。

2. 授業実行上の取り組み・工夫

講義に際しては,毎回必ず文章と図表のプリントを用意していきます。講義では学生にプリントを見てもらいながら,OHCを利用して,1つ1つ丁寧に図表を説明し,箇条書きにした文章のプリントの余白に,メモしてもらうように補足的に板書します。板書中心の講義になると,学生はノートを取ることに集中してしまいます。その一方で,パワーポイントを使用すると,カラフルで,動画なども使えて見栄えがいいのですが,学生たちは映画鑑賞をしているような状況になり,その時はなんとなく内容を理解していても,授業終了後に復習する材料がなくなってしまいます。パソコン,インターネット慣れした学生たちからも「講義では紙情報が欲しい」という意見を多数もらいました。パワーポイントの図表をそのままプリントアウトして配布することもできますが,図は小さく,元来カラーの図表の白黒コピーは見づらい上に,暗い教室の中でのメモは学生たちには大変なようです。ちょっと古めかしい方法かもしれませんが,紹介したい図表を切り張りし,資料を作成しています。冬の雪降る中,大量のコピーを私の所属する地球環境から高等教育まで,歩いて運ぶのは決して楽ではありませんが,毎回この作業を繰り返しています。そして,3回ほどプリント中心の講義をしたあとで,復習する形で短いビデオを観てもらったり,パワーポイントを使って解説し,理解を深めてもらうようにしています。

講義の内容構成で1つ気をつけていることは,1回の講義は1つのテーマにしていることです。続き物の講義内容になってしまうと,病気などで欠席した学生が,次の講義についてくるのが大変になるからです。また,あとで欠席時の講義プリントをあげることにより,ある程度,内容も理解することができると考えています。

また,私の講義のなかで,少しだけ特徴を持たせているのは,学生たちをいくつかのグループに分け「自分たちが興味のある生命または生物現象」について自由にテーマを決めてもらい,グループ研究発表をしてもらう企画を行っていることです。おそらく,演習授業はともかく,1年生で階段教室の教壇上で発表することは,まず初めてのことでしょうし,緊張もするし,準備も大変だと思います。しかし,各グループで「ドーピング」,「ボノボ」,「スポーツドリンク」,「美白化粧品」など,ユニークなテーマを選択し,いろいろな文献や資料を調べ,発表してくれました。発表形式もビデオを用いたり,ニュースキャスター形式や寸劇などを取り入れ,みんな積極的に発表をしてくれました。私自身も全く知識を持たないテーマもあり,大変よい勉強になりました。

3. アンケート結果に対する意見・今後の対応

私は,学部,大学院では専門科目の講義を担当していますが,アンケート調査を行ったこの全学教育科目は,必ずしも自分の専門分野の講義ではありません。にもかかわらず,学生たちが私のつたない講義を高く評価してくれたことは大変嬉しく思います。ただ,1年生を対象とした幅広い生物学ということで,基礎的な内容が中心になっているために,物足りなさを感じた学生もいたことと思います。多少高度な内容でも,授業の後,学生たちが生物に興味を持ち,自ら積極的に勉強してくれるような,さらに魅力的な講義ができるようになれればと思います。


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