3.文系部局

○博物館実習  文学研究科・助教授・佐々木 亨

1 授業の位置づけとねらい

この授業は,本学で取得できる学芸員(博物館専門職員)資格のための科目としては,最終科目となるものです。この科目は私が担当する「事前事後指導」と,各実習施設で学習する「館務実習」からなります。つまり,「事前指導」(事前指導は2コマ連続で8回程度。事後指導は館務実習終了後に1回)は,いままで必須講義科目で学習してきた博物館に関する知識と,実際に運営されている博物館での館務実習をつなぐ位置づけです。

毎年約40名の学生が学芸員資格を取得しますが,実際に新卒で学芸員の職に就くことができる者は数年に1人いるかどうかです。したがって授業の中では,学芸員として博物館に勤務する際に必要な基本的技術などを身につけること以上に,博物館や学芸員に関する今日的な課題を自分で考える機会を提供することがより重要と考えます。

2 授業内容と工夫

私が担当する学生(文系学生と理系学生の比率はおよそ2:1)は,主に北海道立近代美術館または北海道大学総合博物館で館務実習をする学生です。その学生を4つの班に分け,同種の博物館,例えば美術館や郷土資料館といったグループごとに,利用者の視点から見て,サービスの充実度や施設の使い勝手といった評価指標体系を作ります。体系は各班で違いますが,おおよそ5つの活動の柱,各柱に10から20項目の指標群がぶら下がります。指標総数は60から80ぐらいになりますが,指標ごとに採点基準と配点を決めます。学生は自分の班で作成した評価表を持って,評価対象博物館を訪れ,採点をします。採点結果は各班でとりまとめ,同種の博物館に関するランキングを作成し,結果について分析し,プレゼンテーションをします。

この実習は,以下のステージから成り立っています。

授業の際,注意や工夫を要する点は次の3つです。

3 アンケートに関する意見

私は,博物館評価を研究テーマの1つにしているので,授業に対する学生からの評価には真摯に耳を傾けたいと考えています。評価とは,毎年受診する人間ドックのようなもので,今回点数が低かった項目に関して次年度,重点的に努力することで,ほかの項目が現状維持であれば少なくとも平均点は上がります。そのことは学生にとって悪いことではありません。アンケートは,授業改善のためのツールであることをもっとアピールしてほしいと思います。併せて,評価項目でチェックしている次元は,教員の研究レベルや学術的水準とはあまり関係がないということにも注目してもらいたいです。


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