獣医臨床診断学(講義)
獣医学研究科・稲葉 睦
| 【授業の目標】 | 疾患の診断は,病因と病態,すなわち,何が原因で,生体機能のどこにどのような異常があり,どの程度の障害が生じているのかを解析・判断するプロセスであり,治療や予後の判定,さらには予防を含む獣医臨床の最も基礎となる部分である。疾患の診断には,問診,診察,臨床検査など様々な方法を利用して生体の情報を得,これを的確に解釈・評価することが必要である。そのためには,生体の構造や機能の異常を把握するためにどのような検査があり,個々の検査がいかなる意義と目的をもつのかを充分に理解する必要がある。本授業では,臨床系各授業科目における個々の疾患についての学習に先立って,基礎授業科目で習得した生体の構造と機能に関する知識を統合して理解・活用し,疾患病態の基本と諸種検査の意義,内容,解釈を習得することを目標とする。 |
| 【授業計画】 | 1.臨床診断学総論 1)「診断」とは何か? 2)「疾患」とは何か? 3)診断をどのように進めるか? 2.臨床検査学総論 1)「臨床検査」とは何か? 2)臨床検査はどのように進めるか? 3)検査値をどう解釈するか? 4)基本的臨床検査:血液,尿・糞便 5)特殊検査・精密検査 3.血液をとおして疾患をみる 1)血液,および造血臓器の検査 (1)赤血球系 (2)白血球系,血小板 (3)骨髄 2)血液成分の検査 (1)ヘモグロビンとその代謝関連物質 (2)タンパク質とその代謝関連物質 (3)糖質代謝関連物質 (4)脂質代謝関連物質 (5)酵素 (6)微量元素とビタミン (7)ホルモン (8)水,電解質と酸塩基平衡 3)遺伝子の検査 (1)遺伝性疾患 4.排泄物,体液あるいは生検材料をとおして疾患をみる 1)尿,糞便の検査 2)体腔液の検査 3)細胞診 5.感染症を捕まえる 1)免疫学的検査 2)微生物学的検査 6.生体機能を目でみる 1)電気生理学的検査 2)画像診断 注)5,ならびに6項については,主に診断学実習で扱い,本講義のなかでは1〜4項のなかに適宜組み込む。 |
| 【評価の基準と方法】 | 期末試験成績を50%,小テストの成績とレポート内容等を50%の配分とし,到達目標への達成度を総合して成績を判定する。成績判定区分(100点満点とした場合)は60〜69点を可,70〜79点を良,80〜89点を優,90点以上を秀とする。出席率70%以上の学生を評価対象とする。 |
学生の自由意見