理系部局

○基本技術実習 歯学研究科・准教授・土門 卓文

1.授業の目的・内容

 本科目は歯学部3年生を対象にした「歯の基本形態を理解し、歯科臨床で必要とされる造形法の基本技術の修得」を目的としたものです。私の担当は歯の基本形態を教える「歯の解剖学」です。講義では歯科医師にとって必須なヒトの歯(乳歯:10種類20本、永久歯:16種類32本)の形態の理解を目的とし、実習ではそれぞれの歯の種類(歯種)を正確に鑑別できることを目的としています。

2.授業実施上の取組・工夫等

(1)講 義

限られた時間内でヒトの歯のすべての形態を説明することは出来ません。そこで授業では重要な点を記したプリントを中心に行い、時間が許す限り細部に言及するという方法をとっています。ただ淡々と説明するだけの授業では学生の集中力は持続しないため、息抜きの話題として、歯科治療との関連性、歯科医師としての自らの経験、人類学的意義、動物の歯との比較などを雑談として織り交ぜ、重要な点が学生の記憶に残るように努めています。

この授業で学生は三次元構造物である歯の立体構造を理解しなければなりません。三次元構造は二次元構造の積み重ねですから、この理解には二次元図の正確な把握が重要です。このため、授業では多くの図を黒板に描き、その形態を丁寧に説明することを心掛けています。学生には二次元図の正確な把握のために、ノートへの図の模写を積極的に勧めています。

授業では遅刻防止を兼ねた出席カードを用いています。毎回のカードは出席ポイントとなり、成績判定の参考にしています。カードには問題文を載せ、授業開始前に重要箇所を学生に認識させています。学生の理解度の確認のため、授業の最後にはカードに記載した問題文の小テストを行い、誤りや質問事項は赤ペンで添削し、学生に返却しています。

(2)実 習

授業では模型歯を学生一人一人に貸し出し、自主的な予習と復習に用いてもらっています。実習は講義後に連続して行っていますが、次の3段階に分けています。

第1段階では、模型歯をスケッチさせ、講義で学んだ基本構造を理解させます。第2段階では、教室保管のヒトの歯を鑑別させ、基本構造に加えて「一本一本の歯に個性がある」ことを体感させます。第3段階では、口頭で歯の鑑別試問を行い、学生の理解度を個別に確認します。鑑別できない学生には何回でも口頭試問を行い、どこが間違っているか、どこが理解不足であるかを具体的に説明しています。実習において、この3段階を歯種ごとに繰り返して行うことにより、授業終了時に学生はかなりのレベルで歯種を正確に鑑別できるようになります。

3.その他

授業は学生と教員の相互関係で成り立つものと思います。私は学生に楽しんで授業に参加してもらうためには、教える教員自身も楽しんで授業を行うべきであると考えています。今回のアンケート結果は、この授業に対する学生と私の基本的な姿勢が反映したものと考えます。意欲的な勉学意識を持つ北大生と「共に楽しみながら授業に参加できる」ことに感謝します。アンケートの結果、最も評価の低かった項目は「授業内容の難易度は適切であった」であり、これは「授業内容が難しい」ということを意味します。この意見は今後の授業での改善課題にしたいと思います。


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