理系部局

○ターミナルケア 保健科学研究院助教  青柳 道子

1.授業の目的・内容

「ターミナルケア」は必修科目で、医学部保健学科看護学専攻の3年前期に開講しています。本科目は、がんをはじめとした慢性疾患や事故により、死を迎えるに至った人々とその家族の苦痛や苦悩を理解し、緩和ケアなどの援助の基本的な考え方や方法を学習することを目的としています。また、死や看取りはその人々をとりまく文化や社会的背景による影響を受けることから、我が国における死生観にも触れ、死とは何かを考え、死生観を育むきっかけにしたいと考えています。

2.授業実施上の取組・工夫

1)終末期看護教育の先行研究において、現在の学生は人が死にゆく過程を見たり、臨終に立ち会う機会が少なく、死をイメージ化することが困難であると言われています。そのことから、まずは死にゆく人とその家族の状況のイメージ化ができるように、授業の前半にがん末期患者のドキュメンタリー番組を教材として用いました。ドキュメンタリー番組を視聴する前にその目的を説明し、患者に行われていた医療処置、日常生活動作の変化、家族の様子など学習としてみるべきポイントを提示して、漫然と視聴するだけに終わらないように工夫しました。
 また、事例を用いた説明を多くし、薬剤や医療機器類、緩和ケア病棟など学生になじみのないものはなるべく写真を用いて視覚に訴える内容にし、患者や家族の状況をイメージ化できるように努めました。

2)授業には毎回レジュメを準備しましたが、学習のポイントとなる部分は空白にして授業中に学生が記入してレジュメを完成させるような形態にし、学生が集中力を保てるように工夫しました。

3)ターミナルケアで今研究されていること、学会でのトピックスなどを講義に取り入れ、できるだけ新しい知識を提供するようにしました。

4)毎回講義の終わりに、学生に無記名で授業の感想と質問事項を記入してもらいました。授業の進め方に関することについては、次回からの授業に反映させ、質問事項に関しては次回の授業のはじめに返答する時間を設けました。自分の説明の不足な部分や学生の理解しにくい部分が把握でき、学生の理解も深められたのではないかと思います。

3.その他

ターミナルケアは、がんや慢性疾患によって長い経過を経て死を迎える方、事故などで突然の死を迎える方というように様々な状況のもとで、小児から老年期までの幅広い年代を対象として患者と家族に提供されるケアです。私一人で教授をするには限界がありますので、准教授の鷲見先生のアドバイスとご協力を得ながら授業を展開しました。今後も授業を通して死とは何か、生とは何か、そこで看護職として患者と家族に対してできることは何かを、学生と共に考え、私も成長していきたいと思っています。


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