理系部局

○小児歯科学 歯学研究科教授  八若 保孝

@授業の目的・内容

私の担当する「小児歯科学」は、歯学部4年生を対象にした通年の講義です。成長発育期にある小児の口腔を健全に育成するための小児歯科医療に関する基礎的知識を習得することが目的です。内容としては、全身、顎口腔系、精神それぞれの正常な成長発育の理解とその異常について、健全な成長発育を傷害するう蝕、外傷、咬合不全などの各種疾患の理解とそれに対する治療法ならびに予防についてが、骨格となります。

A授業実施上の取組・工夫

小児歯科は、小児に対する歯科医療すべてを範囲としますので、必要な知識は広く、多方面にわたります。また、5年生になると臨床実習が始まり、実際に小児患者と向き合うことになるため、学生の知識レベルの向上と各知識の相互関係、およびその整理が必須になってきます。私の授業は、これらのことを考慮した取組をしています。授業は三部構成で、a)講義、b)小テスト、c)スライド(パワーポイント)からなっています。

工夫として具体的には、

1)配布プリントの充実: 教科書を読むことはとても大切なことですが、残念ながら医歯学系の教科書には、可能な限り多彩な情報が盛り込まれており、学生はどこをどのように読むべきか悩むようです。私のプリントは、必要な内容を吟味し、現時点で学生に必要でない部分をそぎ落としたものにして、ポイントを明確にしています。また、パワーポイントの内容をそのまま配布することは絶対しません。これをすると学生はノートをとらなくなります。授業をきき、必要なポイントを実際にメモすることが、学生の勉強に生きてくると私は考えます。

2)図の板書: 講義は黒板への板書が主体です。歯科医療は形の理解がとても大切な要素になります。そのため、黒板にたくさんの図を描きます。学生はそれをプリントやノートにうつします。絵が不得手の学生でも何回も描いているとそれなりに描けるようになってきます。このことは、形の理解だけにとどまらず、実際に臨床実習などでの小児患者または保護者への説明の時に有利に働いているようです。

3)授業中の質問: 学生に、これまでに学んだ内容で重要な部分について質問するようにしています。これにより、学生は必ず自分のノートやプリントを再度見直します。この繰り返しにより、必要な知識が身につくようです。

4)小テストの実施: 出席の条件にもしていますが、その日の講義の重要なポイントに関する小テストで学生の理解度を見ています。理解度が不足しているようであれば、次回の講義の最初に復習をします。

5)パワーポイントの工夫: 前述のとおり、授業時間の最後に復習・まとめとしてのスライド(パワーポイント)を行っています。口腔内写真やエックス線写真などをできる限り使用し、臨床との接点を意図した内容にしています。これは、講義の部分で得た普遍的な知識を臨床という別な角度からもう一度見直すことができるようにして、臨床のイメージを学生の中で膨らませるように意図したものです。

これらの工夫を、学生の学習意欲増進につながってほしいと思って行っています。

Bその他

大学の教員は、教育のプロではありません。私も、授業を構築する上で、いろいろ勉強しましたし、まだまだ意図した効果が獲得できないでいるのが現状です。今回、私の授業に良い評価をいただいたことは、私自身にとって強い動機付けになりました。これからも私自身が学生とともに学習していく意欲をもって、授業を進化させていきたいと考えています。


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