| 【授業の目標】 | 科学技術の新しい発展につながる物理現象や基礎的事項を英語文献で学ぶ。受講者は各自が研究者になったつもりで、現代の先端技術の基となる発想を学ぶ。
少人数によるセミナー形式で英語文献を学習し、文献の内容理解・論理構成・科学的記述などの基本を学びさらに批判的な読み方を身につける。また幾つかの物理学の重要なテーマに関する英語文献をグループごとに探させ、その歴史的背景、意義、インパクトなどについて、調べたものを発表させる。その過程で、問題を見つけ出す能力、グループで協力して調査研究・討論に当たる能力や、人にわかりやすく説明するためのプレゼンテーション能力を身につける。 |
| 【到達目標】 | 英語文献の読解力を高めることだけではなく、文献の要約作成力、内容を人にわかりやすく説明するためのプレゼンテーション力、発表に対して討論をするためのコメント力など科学技術論文を中心とした基礎力を養う。 |
| 【授業計画】 | 1.オリエンテーション(1回)
受講者のクラス分け(3クラス)を行い、各クラスごとに英語文献の配布とその概略を説明し、授業の進め方を説明する。またグループで調べる英語文献のテーマについて説明する。 2. 英文講読(10回) 英語文献の内容の理解を通して、専門用語、科学技術論文特有の表現方法、要点の把握、抄録の書き方、プレゼンテーションの仕方などを学ぶ。さらに受講者は、輪講を通して次の事柄を要求される。(1)興味のある問題を見つけること。(2)その問題の解決に必要な文献や情報の入手。(3)研究テーマの設定と調査、討論。 3. 学習発表(3回) 各グループの研究・討論成果の発表及び、他2クラスの発表の視聴、質疑討論。グループで調べた英語文献について、人に分かりやすく説明する能力を養う。 |
| 【評価の基準と方法】 | 各クラスとも受講者の自主性を尊重した講義であり、授業へ積極的に参加することが条件である点は同様である。文献の理解度・発表の仕方および討論への参加態度などをみて、総合的に評価する。 |
本講義の内容は、科学技術の新しい発展につながる物理現象や基礎的事項を英語文献で学び、その内容を(日本語で)発表するというものです。受講者は各自が研究者になったつもりで、現代の先端技術の基となる発想を学び、それを他者に伝えます。
目的は、少人数によるセミナー形式で英語文献を学習し、文献の内容理解・論理構成・科学的記述などの基本を学びさらに批判的な読み方を身につけることです。また文献の内容から派生する関連項目をより深く調べそれらをまとめあげて発表することにより、問題を見つけ出す能力、グループで協力して調査研究・討論に当たる能力や、人にわかりやすく説明するためのプレゼンテーション能力を身につけることも目的としています。
実際の授業では、応用物理学コース3年生のクラスを3つにわけてそれぞれ15人前後の小クラスとし、各小クラスを3名の教員で担当しました。私の担当小クラスでは、これをさらに2-3人から構成される5つの班に分けました。それぞれの班の学生は、こちらで選んだ英語文献を協力して読み解き、勉強した内容をプレゼンテーション形式にまとめて発表しました。文献そのものは小クラス全員に渡し、自分の班の割り当てでないものも読んでおくように指示しましたが、実際のところ学生諸君がそれらをどれほどきちんと読んでいたかは定かではありません。
授業時間は、6〜7割程度を各班による発表とそれに対する質問・討論時間にあて、残りの時間で英文の読み方の説明および発表内容の補足説明の(物理の)講義を行いました。1回の授業時間では、ひとつの班による一発表のみとしたので、質問・討論の時間をかなりゆったりととることができました。
特に工夫と言えるほどのものは無いのですが、一番苦労したのは文献の選択でした。各班には、それぞれScience誌から解説記事1本およびNature誌から原著論文1本を読んでもらったのですが、難しすぎず易しすぎず、物理の面白さが感じられるようなものを選ぶよう心掛けました。
また、論文読みやプレゼンテーション資料づくりは、主として授業時間外の学習になるので、こちらも時間外になるべく多くの時間をさいて学生諸君からの質問に答えるようにしました。この際、学部3年生なので細かい議論よりもまずおおまかな話の筋をつかむことを重視しました。
発表内容については明らかに誤解している事柄以外はあまり口をはさまず、質問・討論の時間を活用して発表者・聴講者双方の理解が深まることを目指しました。質問・討論時間ではあまり質問をしていない学生を指名することもありましたが、学生の自発的な質問から議論が発展することも多々あり、良かったと思います。
授業を通して感じたことは、学生諸君は意外に(失礼)人前で発表をすることを苦にしてはおらず、むしろ発表することを楽しんでいる様子でした。同じクラスの学生同士の発表と討論なので、リラックスしてこれらに臨めたのが良かったのかもしれませんが、「自分達もここまでできる!」というところを他者に示す場を求めているようにも見受けられました。もちろん学生諸君には個性があるので全員にこれがあてはまるわけではありませんが。
今回、当講義に高い評点がついたのも、たまたま意欲的な学生が集まっていたということも大きいと思います。結局のところ、講義には何かうまいやり方があるというわけでなく、地道に時間をかけてやる以外に方法が無いのではないかと感じております。