理系部局

クリティカルケア  保健科学研究院講師 溝部 佳代

■シラバス

【授業の目標】 1. ICUや侵襲の大きな手術の術後急性期で用いられる最先端医療機器について、看護者がその管理を行う上で必要な知識と技術を学ぶ。
2. 救命救急場面に必要とされるトリアージに関する知識と技術を学ぶ。  
3. 危機状況にある重症患者のケアおよび救命救急場面における、諸問題と医療活動(倫理的課題、災害時の対応など)について学ぶ。
4. 重症患者とその家族への看護について、危機理論を活用して学ぶ。  
【到達目標】 1. 看護者が人工呼吸器を管理する上で必要な基礎知識および看護の要点を説明できる。     
2. 心電図モニタリングについて、その具体的方法を説明できる。また、得られたデータについて事例をアセスメントできる。
3.救急場面における諸問題(災害時の対応、救急場面における倫理的課題)を説明できる。
4.重症患者と家族の心理、ならびに心理状況の変化について、危機理論を用いて事例をアセスメントできる。   
【授業計画】 1コマ90分、7回で行う。   
1. 最先端医療機器:その1 人工呼吸器、心電図モニタリングについて〈講義〉   
2. 最先端医療機器:その2 人工呼吸器〈北海道大学病院MEセンター実習〉
3−4. 最先端医療機器:その3 心電図モニタリング〈演習・事例学習〉
5. 救急医療および災害看護に関する基礎知識〈講義・事例学習〉
6. 救急場面における倫理的問題の理解〈講義・VTR視聴〉
7. 重症患者とその家族の心理〈講義・事例学習〉  
【評価の基準と方法】 1. 授業への参加態度、出席状況、レポート、筆記試験を総合し、5段階評価する。  
2. 出席率80%以上を求める。    


■授業の取組,工夫等について

1.授業の目的・内容

「クリティカルケア」は、医学部保健学科看護学専攻4年次の2学期に開講する選択科目で、履修選択者および編入生10名を対象とした7日間の集中講義です。看護学実習が全て修了している時期であるため、やや難易度の高いテーマを取り扱っています。

本講義の目的は、重症度・緊急度が高い患者への看護に関する基本的知識および技術を学ぶことです。 内容は、重症集中ケアにおける最先端医療機器(人工呼吸器、心電図モニター)、災害医療および救急場面におけるトリアージ、重症患者家族への看護、の3部構成になっています。

2.授業実施上の取組・工夫

講義で扱う医療機器の管理やトリアージでは専門用語や略語が多く、学生にとっては難解です。わかり易い授業を目指して、以下の3点に取り組んでいます。

1)体験型学習
 イメージ化を図るため、開講期間の前半に実施しています。医療機器の実物を見る、作動音や異常時のアラーム音を聞く、回路に触れパーツの分解・組み立てを行う、患者役になって装着を体験するなど、学生は五感を使って演習します。学生全員が時間内で体験できるように、1グループあたりの学生数は6〜7名で編成しています。
 グループ数が多くなるため、指導者は同じ演習を2〜3回も繰り返すことになりますが、高山助教、佐藤助教、また北大病院MEセンタースタッフの方々にご協力を得ながら実施しています。学生の評価では、選択科目で少人数だから出来る演習である、理解が深まると大変好評で、今後も継続していきたいと考えています。

2)状況設定問題の提示およびそのフィードバック
 全講義を通して、各回のテーマに合わせた状況設定問題に取り組む時間を設けています。時間内または遅くとも次の講義(翌日)には、正答および誤答の傾向について解説します。また、出席カードに書かれた感想、質問から学生の理解度を確認し、説明不足があれば次回の冒頭で補足するようにしています。難易度の高いテーマを扱っていることから、この点は今後も留意して取り組んでいきたいと考えています。

3)幅広い話題提供
 後半のテーマは、家族への看護、関連する倫理的課題、その他のトピックスについて話題提供します。これらは筆者がいずれの授業においても教材化したいと考えている要素です。前半の和気あいあいとした演習から一変し、後半は重たく考えさせられるテーマへと移行します。学生からは幅広い知識が得られたとの意見があり、教員の意図を理解して受講している学生がいることに感心します。今後はこれらのテーマについて授業内で意見交換するなど、学生の持っている力を引き出す工夫が必要であると考えています。

3.その他

この時期は進路や就職先が確定するピークで、学生の多くは卒後に役立つ実践力を身につけたいという明確なニーズをもっていたと推察されます。真剣な学生と向き合う上で、自らの実践力・教育力の向上に努力していきたいと考えています。



■学生の自由意見


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