
都会の中で知る自然 -北大植物園の世界-
園長 増田 清
北海道大学植物園は、札幌駅から徒歩で約5分、北海道庁の西に位置しています。周囲はビルが建ち並び、コンクリートと騒音に満ちた世界ですが、ひとたび植物園に足を踏み入れるとそこには全く別の世界が広がっています。かつてここには木々に囲まれた湧き水があり、そこを水源とするサクシュコトニ川は現在の北大構内を通り、豊平川につながり日本海に注いでいました。園内にあるハルニレ(エルム)の巨木や湿地はそのころの原始の姿を今もとどめています。
北海道のように北の地域に育つ植物の多くは、雪解けとともに活動を始め、春の終わりの短い期間に一斉に花を開きます。その時期の植物は最も活力のある姿をみせてくれます。植物はその営みとして太陽の光エネルギーを吸収し、葉から水分を蒸散します。そのため夏の木々を渡る風は涼やかです。夏の真昼に植物園を訪れ、木陰に腰を下ろし、都会の真ん中で味わう最高の贅沢を堪能してみてはいかがでしょうか。秋、植物は厳しい冬に向かう準備を始めます。植物園の紅葉の美しさのなかに、植物生存の巧みな仕組みを伺い知ることができます。
北海道大学植物園は、歴史のある、日本でも有数の植物園のひとつです。園内には樹木園、高山植物園、潅木園、草本分科園、北方民族植物標本園などの施設があり、北方地域や高山に生育する植物を実際に見ながら、その分類や生態を知ることができます。また,温室には、ラン科植物、熱帯・亜熱帯植物、多肉植物のコレクションがあります。このように、日ごろ目にすることのできない奇抜な植物に出会えるのも植物園の魅力です。園内の博物館には北海道に生息する動物や鳥類の剥製、さらには民族学的・考古学的に貴重な資料などが展示されていて、北海道の動物や歴史を知ることができます。
北海道大学植物園は教育・研究の場です。各地から集められた野生植物は、生態を研究したり、分類・体系化する研究や種の保存に利用されています。多くの植物はできるだけ育っていたままの状態で維持管理されています。そのため、専門の教員や優れた技能を持つ職員が協力して教育・研究や植物の維持にあたっています。
私たちは、植物によってつくられる良質な環境を提供することも都会にある植物園の重要な役割だと考えています。リラクゼーションの場として、また植物への知的好奇心をみたす場として、どうぞ北海道大学植物園をご利用下さい。
| スタッフ一覧 | ||
|---|---|---|
| 教授(園長) | 増田 清 | |
| 准教授 | 冨士田 裕子 | 植物生態学 |
| 助 教 | 東 隆行 | 植物分類学 |
| 助 教 | 加藤 克 | 博物館史、資料史 |
| 助 教 | 谷亀 高広 | 収蔵庫担当 |
| 技術専門職員 | 市川 秀雄 | 博物館担当 |
| 稲川 博紀 | 庭園管理担当 | |
| 大野 祥子 | 庭園管理担当 | |
| 高田 純子 | 庭園管理担当 | |
| 永谷 工 | 庭園管理担当 | |
| 林 忠一 | 庭園管理担当 | |
| 持田 大 | 庭園管理担当 | |
| 技術職員 | 高谷 文仁 | 博物館担当 |
| 板羽 貴史 | 庭園管理担当 | |
| 事務職員 | 遠山 節徳 | 係長級 |
| 岡内 鋭 | 係長 | |
| 非常勤職員 | 7名 | 庭園管理補助・受付 |