シリーズ1・北大構内の樹木(1991年)

1.ハルニレ

 ハルニレ(Ulmus davidiana var. japonica)は、ニレ科の落葉高木で英名をエルムと言います。 北大は「エルムの学園」とも呼ばれ、植物園はもとよりキャンパス内には、立派なハルニレの巨 木が多く、とりわけ芝生との美しい組合せは、しばしば私達の目を楽しませ安らぎを与えてくれ ます。

 ハルニレは高さ25〜35m、直径70〜120cmにもなり、枝が太く斜めに伸びるため、樹 形はどっしりとした雄大な姿となります。北海道、南千島、本州、四国、九州とほぼ全国に分布 しますが、本州中部以西ではアキニレ(Ulmus parvifolia)の方が普通に分布します。自然状態 では、排水が良好で肥沃な丘陵地や扇状地、沢沿いなどに生育し、東北地方ではその多くが丘陵 地以高に分布するので、馴染みが薄いようです。北海道では平地にも分布し、札幌はもともと豊 平川の扇状地上に位置するため、ハルニレが多かったようです。植物園や北大キャンパス内のハ ルニレは、明治のはじめの大学開校の際に、それらを切らずに残した個体が主体となっています。 花は早春、まだ葉が開かないうちに咲くため、人に気づかれることが少ないようです。種子(果実)は6月には熟し、翼があるため風にひらひらと舞う様子は風情があり、これまた北大の初夏 の風物詩になっています。

ハルニレ
Ulmus davidiana var. japonica