シリーズ1・北大構内の樹木(1991年)

2.ライラック

 ライラック(Syringa vulgaris)は仏名でリラとも呼ばれ、札幌市の木になっており、市内のいたる所で目にすることのできる人気者です。これは、上品な美しさと香りのよさ、丈夫で育てやすく花付きがよいためと考えられます。昭和34年から毎年、5月下旬に「ライラックまつり」が大通公園で盛大に行われ、いかに市民にこの樹木が愛されているかがわかります。

 ライラックはモクセイ科ハシドイ属の落葉低木で、原産地はイラン、トルコ半島からヨ−ロッパ南部のバルカン半島にかけての地域です。15、16世紀ごろにはヨ−ロッパ全域に広がり、鑑賞のため改良が盛んに行われ、たくさんの園芸品種が生み出されました。花期は5月下旬から6月で、先が4つに分かれた筒状の小さな花が房状に集まってたくさん咲きます。日本の山野には、同じ仲間のハシドイ(Syringa reticulata)が自生していますが、花は白色でライラックよりずっと地味です。

 これほど札幌市に定着したライラックですが、北海道に渡ってきたのは明治中ごろで、植物園旧事務所前に植えられた木が、札幌で最も古いとされています。

ライラック
Syringa vulgaris