シリーズ1・北大構内の樹木(1991年)

5.イチイ

 イチイ(Taxus cuspidata)は、イチイ科イチイ属の常緑針葉樹で、普通高さ10〜15mになります。北海道内では、オンコという名の方が一般的です。サハリン、千島、北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国東北部、シベリア東部と、広い地域に分布しています。しかし本州以南では、かなり標高の高いところや深山に行かないと見ることができません。北海道では平地から山地まで、エゾマツやトドマツなどの針葉樹や、ハリギリ、ミズナラなどの広葉樹と混じって生え、稀に純林を形成することもあります。雌雄異株で、雌花は緑色、雄花は淡黄色で、4〜5月に咲きます。種子は果肉(仮種皮)に包まれ、9月ごろから10月にかけて赤く熟し、甘く食べることができます。ただし種にはアルカロイドが含まれ有毒で、食べることはできません。

 生長が大変遅いため材は緻密で堅く、光沢があって美しく、床柱、天井板、彫刻、家具、碁盤などに重用されます。イチイと言う名前は、昔、正一位の官職の人の持つ笏(しゃく)を、この材で作ったので「一位」と呼んだことに端を発しているそうです。

 北大キャンパス内をはじめとして、札幌市内のあちこちに植えられおり、植物園では、東南側の高山植物園の垣根に一部使っているほか、園内では高さ6mぐらいの比較的大きな木もみることができます。

イチイ
Taxus cuspidata