シリーズ2・北海道の国立公園(1992年)

1.支笏洞爺国立公園

 支笏洞爺国立公園は、定山渓、支笏湖、登別、洞爺湖、羊蹄山を含む面積98,332haの地域で、昭和24年5月16日に国立公園に指定されました。この国立公園は、札幌、苫小牧、室蘭などの都市に近接しているうえに、交通の便も良いため、野外レクレーションの場としての利用頻度が高く、道内では最も身近な国立公園となっています。公園地域は、那須火山帯に含まれるため、樽前山、恵庭岳、有珠山、昭和新山の活火山、高さ1893mの秀峰羊蹄山などの火山、支笏湖、洞爺湖、クッタラ湖などのカルデラ湖、せき止湖のオコタンペ湖、定山渓、登別、洞爺湖、カルルスなどの温泉が含まれ、火山王国日本を象徴する景観を目の当たりにすることができます。

 さて、火山に縁が深いこの公園内では、火山活動による植物群落の破壊とその後の変化の様子を観察することができます。火山が爆発すると、最初は植物のまったくない地域ができますが、そのうち植物の侵入定着や生き残った根からの再生が起こり、順次植物群落が変化しながら形成され、最後に安定した群落の状態になるのです。これを植生遷移といいます。昭和新山や有珠山ではこの遷移の初期状態が、支笏湖周辺の山々では遷移が進み森林の形成された状態までを観察することができます。

タルマイソウ(イワブクロ)
Penstemon frutescens