知床半島は北海道の東北端につきでた細長い半島です。中央部には羅臼岳、硫黄山、知床岳などを含む知床連山が走り、短い河川と急峻で深い渓谷、断崖絶壁の海岸線などとあいまって非常に原始的な景観をもち、「秘境」と呼ぶにふさわしい自然の姿を最近まで残していました。しかしながら、近年の観光ブームと昭和55年度完成の知床横断道路の影響で、その姿は変わりつつあります。国立公園の指定は昭和39年6月1日で、面積38,633ha、ほとんどが国有地で森林に覆われています。オホーツク海沿岸は冬季、1月上旬から3月下旬ごろまで流氷が接岸し、この時期知床ではオオワシ、オジロワシなどの鳥類、トドやアザラシなどの海獣をみることができます。
この地域の森林は、トドマツ、エゾマツからなる針葉樹林、ミズナラ、イタヤカエデ、ケヤマハンノキ、ハルニレ、カツラなどで構成される広葉樹林、あるいはこれらの混じった針広混交林が主体で、標高600m付近まで分布しています。これより上部になるとダケカンバ林に変わります。沢沿いではミヤマハンノキ林がみられ、ハイマツは標高約700mから出現しますが、半島の先端部では400 〜500mの標高で出現します。半島の内陸部が急峻な山岳地で占められ、近年まで交通事情も悪かったため、今では数少ない原生林(人間の手が過去に入っていない状態の森林)が知床の森には残っています。特にミズナラ林はすばらしく、この貴重な自然を何とか破壊せずに後世に伝えたいものです。
|
ミズナラ
(Quercus mongolica ssp. crispula)
|