シリーズ3・ラムサール条約と登録湿地について(1993年)

2.釧路湿原

 日本初のラムサール条約登録湿地になったのが釧路湿原です。面積は約2万1,440ヘクタールで、日本の湿原の60%を占めるわが国最大の湿原です。湿原一帯はかつては海でしたが、潟湖が形成されそこに泥炭が長い年月をかけて堆積し、約3,000年ほど前に今のような湿原となりました。湿原の中は釧路川をはじめとし、雪裡川、久著呂川など大小様々な河川が蛇行しながら流れています。東側にはシラルトロ湖、塘路湖、達古武沼の3つの海跡湖があります。釧路湿原の景観を代表する植生は、ヨシ群落とハンノキ林です。この2つの群落は、天水(雨水)によってかん養されるミズゴケ類を主体とする高層湿原とは異なり、河川水とともに土砂が湿原内に運び込まれるような比較的富栄養な湿原に成立します。このような湿原を低層湿原といいます。釧路湿原には、高層湿原もかなり分布していますが、低層湿原がもっとも広い面積を占めています

。ここには国の特別天然記念物のタンチョウのほか、170種を越える鳥が生息しています。タンチョウは大正13年に10数羽釧路湿原に生き残っているのが確認され、人々の手厚い保護でその数は殖え、現在では道内で約600羽までになっています。しかし最近、湿原周辺では河川の改修や農用地の開発の他に、ゴルフ場の造成などの計画が持ち上がり、湿原への影響が懸念されています。

クシロハナシノブ
(Polemonium coeruleum ssp.laxiflorum