シリーズ3・ラムサール条約と登録湿地について(1993年)

3.伊豆沼・内沼

 日本で2番目のラムサール条約登録湿地になったのが、宮城県迫町・若柳町・築館町に所在する伊豆沼・内沼です。面積は伊豆沼が289ヘクタール、内沼が98ヘクタールで、これらの淡水湖と周辺の湿地、水田が登録地に含まれます。

 ここは日本1のガンの越冬地で、わが国に飛来するガンの80%が集まります。ガンの他に、ハクチョウやカモ類など多くの渡り鳥もここに集まり、冬期のこれらの鳥の数は約32,600羽(平成5年1 月)にものぼります。

 この沼は江戸時代から干拓が行われ、伊豆沼周辺は主に水田となっており、これらの渡り鳥による農作物の被害が深刻な問題となっています。また近年、沼の汚染がひどく、湖沼の汚染度全国第5位となっています。もともとこの沼は水深が浅く、平均で76〜78センチで、抽水植物(体の一部が水中にあり、一部は空気中に出ている植物)や浮葉植物(根は水底に固定され葉が水面に浮いている植物)の生育に適しており、マコモとハスが広く分布していましたが、昭和58年の洪水で壊滅的な打撃を受けてしまいました。マコモは、沼の汚染の原因となっている窒素やリンなどを吸収し、水の富栄養化を抑える作用があり、さらにその地下茎はハクチョウの大好物でもあるため、6年前からマコモを積極的に植栽しています。

 このようにラムサール条約の登録湿地の中には、人間と水鳥の共存のために、積極的な湿地の維持管理を行っている場所もあるのです。

マコモ
Zizania latifolia