シリーズ3・ラムサール条約と登録湿地について(1993年)

4.クッチャロ湖

 日本で3番目のラムサール条約登録湿地になったのが、北海道枝幸郡浜頓別町に所在するクッチャロ湖です。指定面積は1,607ヘクタールで、淡水湖とその周辺、河川の流域が含まれます。

 クッチャロ湖は大沼、小沼からなる海跡湖で、シベリア方面からの渡り鳥の国内における最初の中継地となっています。特にコハクチョウに関しては、日本に渡来する大部分にあたる1万羽以上がここに立ち寄り羽を休めます。このほかヒドリガモ、スズガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ヨシガモ、マガモ、コガモなどのカモ類、マガン、ヒシクイ、カイツブリの仲間など200種以上の鳥が確認されています。不思議なことに、ここにやって来る白鳥はほとんどがコハクチョウで、同じオホーツク海に面した涛沸湖にやって来るのがオオハクチョウであるのと対照的です。渡りのピークは11月初旬と3月中旬から4月中旬までです。

 湖岸部と湖に流れ込む河川の流域は、湿地となっておりヨシ群落で覆われています。そのほか湖周辺には、アカエゾマツの湿地林が分布しており、この群落は、北海道東部からオホーツク海沿岸の低地の湿原植生の特徴のひとつとなっています。また周辺地域の主な土地利用は、山林の他、農業の中心である畜産のための牧草地が広く分布しており、ここで草原の小鳥達やワシ・タカの仲間を観察することもできます。

ワタスゲ
(Eriophorum vaginatum)