| 最近の調査から日本の野生のシダ植物と種子植物、約5,300種の約17%が、すでに絶滅してしまったか、このまま放置すれば絶滅のおそれがあり、6種に1種が危険にさらされていることが明らかになりました。大規模な宅地開発や森林伐採、湿原の埋め立てなどによって、名前も知らない野草がこの世から消えてしまっても関係ないとおっしゃる方がおられるでしょう。しかしながら、 30数億年前に地球上で誕生した生命が、長い時間をかけて進化と絶滅を繰り返してきたのに比べ、近年の野生生物の絶滅は、今だかつて生物が生命の歴史の中で経験したこともないスピードで進んでいるのです。これが人間の身勝手のせいだというのは、あまりにも情けないことであり、この事実はとりもなおさず生物である人間の生活環境も悪化してることを意味するのです。さらに野生生物の種の保護が必要と考えられる理由は、ほかにもあるのです。
?遺伝子の保護:最近まで野生植物は何の役にも立たないと考えられていましたが、現在ではその遺伝子がバイオテクノロジーの進歩で、作物の品種改良や医薬品の開発などに利用できるようになり、潜在的な資源として重要視されるようになりました。
?生態的多様性の保護:生物群集は様々な生物の複雑な相互作用の上に成り立ち安定していますが、種の絶滅によって単純になった群集は、環境条件のわずかな変化で影響を受けたり、バランスが崩れたりします。
?文化財としての野生植物:ある地域の植物相は、その地域の環境と歴史を反映しており、その保護は地域の文化の保護でもあるのです。
?次世代への責任:野生生物は子供達の生物学の教材として欠くことのできないものであり、野生生物とその生育する自然環境を保護し次世代に引き継ぐのは我々の使命でもあるのです。
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