シリーズ4・日本の絶滅の恐れのある植物についてI(1994年)

5.野生植物の絶滅の危機を救うために

 最近の調査から、日本の野生のシダ植物と種子植物の6種に1種が、このまま放置すれば絶滅してしまうおそれがあることが明らかになりました。それでは、野生植物を絶滅の危機から救うために、私達はどんなことをしたらよいのでしょう。

?立法による保護:野生植物を絶滅から救うためには、自生地の環境を保護することが重要です。そのためには、開発を規制し、山草愛好家や山草園芸用の売買のための濫獲を規制するための、野生植物保護法などの立法が必要です。また法的な規制によって、種の保存に取り組む姿勢が一般の方々に浸透し、関心を持っていただくことは重要です。

?生活域の湿地・自然草地の保護:人間の生活域に含まれる、池沼、湿地、河岸や海岸の草原などは、全国規模で急激に破壊されつつあります。これらの身近な湿地や草原には、サギソウ、サクラソウ、オキナグサなどや沢山の水生植物が生育しており、開発行為に対する規制の強化と保護対策が緊急に必要となっています。

?半自然植生の維持・管理:日本の草原や里山の雑木林などは、火入れ、放牧、草刈り、薪炭木としての伐採などの人の活動によって維持されてきた半自然植生です。ここにはたくさんの特徴的な植物が生育しています。しかしながら、近年草原や森林の利用形態が変化して、人間による干渉が行われなくなった結果、植生が変化してきているのです。これらの植物の保護のためには、植生が変化しないための適切な管理が必要です。

?保護のために必要な研究の推進:絶滅のおそれのある植物の保護のためには、それぞれの種の繁殖様式、生活史、遺伝的変異、生理生態的な特性などを研究し明らかにする必要があります。

フジバカマ
Eupatorium japonicum