シリーズ5・日本古来のハーブたち(1995年)

2.シソ

 日本人の食生活にもっともとけ込んだ和風ハーブの代表といえば、シソではないでしょうか。よく利用するのは葉で、お馴染みの梅干しや紫蘇巻き、柴漬けなど様々な料理に使われますが、花穂、実、芽なども用いられ、生食用、漬け物用、着色用とその用途は広範囲にわたっています。近頃は、大葉(アオジソ)は年中店頭に出ていますが、路地栽培での旬はちょうど梅雨時期から夏にかけてのものでした。このためでしょうか、夏の暑気あたりで食欲がなくなった時、食欲増進のために冷奴や冷やむぎ、刺身などに大葉は利用されてきました。

 日本のハーブとしてこれだけ馴染みの深いシソですが、実は日本の原産ではありません。シソ(Perilla frutescens var. crispa)は、ヒマラヤからビルマ、中国にかけての原産の一年草で、広くアジアの温帯に分布します。日本在来の植物で最もシソに近いのは、レモンエゴマ(P. frutescens var. citriodora)です。シソの茎には4稜があって、枝わかれし高さ70cmぐらいになります。葉は長い柄があって対生し、広卵形で長さ7〜10cm、葉先は短鋭先形、基部はほぼ丸く、縁に鋸歯があります。8〜10月に茎および枝先に穂状に集まって帯白色の花が咲きます。萼は鐘形で5歯片にさけ長い軟毛があります。

 日本には奈良、平安の時代に渡来し、薬用、食品香味料として各地で栽培されてきました。大別すると赤ジソ、青ジソに分けられますが、いろいろな園芸品種があり、その栽培は容易です。いずれも食欲増進、防腐・殺菌作用があります。シソの香気の主成分はペリラアルデヒド(シソアルデヒド)で、強力な防腐力があります。

シソ
(Perilla frutescens var. crispa)