シリーズ5・日本古来のハーブたち(1995年)

4.サンショウ

 日本各地の山地に自生する、雌雄異株の落葉低木で、「古事記」にハジカミという古名で登場するほど昔から親しまれ、特有の香気と辛味が料理に利用されたきた和製ハーブといえば、サンショウです。若芽は「木の芽」と呼ばれ、味噌と合わせてタケノコや豆腐、コンニャクなどとあえたり、すまし汁の吸い口や焼き魚、煮物などに添えます。初夏の若い実、秋口の成熟した実も、季節料理にあしらったり、佃煮などの保存食に加工されます。また、鰻の蒲焼きにかかせない山椒粉は、果実を粉末にしたもので、年間を通じて利用されます。太い幹は摺子木(すりこぎ)や杖に珍重され、果皮は漢方薬にも利用されます。

 サンショウ(Zanthoxylum piperitum)は、北海道・本州・四国・九州の低山地の林内に生え、朝鮮南部にもあります。高さ1.5〜3mで、葉の基部近くの枝にはふつうは対生(ついになって生える)ときに単生する長さ5〜8mmの刺があります。葉は互生し、長さ5〜18cm、 9〜19枚の小葉からなっています。4〜5月ごろ、枝先に長さ1〜3cmの花序を伸ばし、緑黄色の小花をたくさんつけます。果実は熟すと赤色になり、開裂して黒色の種子ができます。サンショウは精油を含み、この油の成分はシトロネラールで、辛みの成分は、サンショール・および・で、またサンショウアミドも含まれています。

 たまにサンショウを山から採ってきても、香りがあまりしない場合があります。これはたぶんイヌザンショウ(Z. schinifolium)の葉を摘んできたものと思われます。簡単な区別点は、イヌザンショウは枝に刺が互生(互い違いに生える)に生えていることです。ただし、イヌザンショウは北海道には自生していないので、ここ北海道ではまちがえる心配はありません。

サンショウ
(Zanthoxylum piperitum)