シリーズ5・日本古来のハーブたち(1995年)

5.ショウガ

 独特の香気と刺激的な辛みをもつショウガは、解毒、発汗、健胃などの作用をもつ漢方薬として、古くから用いられてきました。四季折々の料理の薬味、魚や肉の臭み消し、さらには味噌漬けや酢漬けなどにされ、日本人の食生活に深く浸透していますが、実は原産地は熱帯アジアで、わが国には八世紀初頭以前に渡来してきました。中国やインド、東南アジアの料理にもさかんに使われるため、私たちはショウガを東洋の香味料と考えがちですが、英語でいえば「ジンジャー(ginger)」ですから西洋でも古くから利用されており、世界中で栽培されるハーブなのです。

 ショウガ(Zingiber officinale)は、地下茎が多肉で黄色の塊状をなし、地下茎の芽から高さ50〜90cmの地上茎を出す多年草です。葉は互生し、下の葉は鱗片状ですが、上の葉は線状ひ針形の葉身があり、基部は長い鞘(さや)となって茎を包みます。日本ではふつう花は咲きませんが、まれに暖地で咲くことがあります。夏から秋にかけて高さ20cmぐらいの花茎を地下茎から伸ばし、花茎には鞘状の葉がつき、先に太くて短い穂状花序を付けます。結実はしません。辛味の成分は結晶性のジンゲロン(Zingeron)と油状のショウガオール(Shogaol)です。

 品種数は多くなく、辛味の強い系統と、繊維が少なく質が柔軟な系統があります。むしろ一般には、初夏の早採りを葉生姜または青矢、初秋の葉付きのものを秋生姜、晩秋の根茎をひね生姜の様に区分しており、季節が遅いほど辛味が強くなります。

ショウガ
(Zingiber officinale)