シリーズ8・園内で見られる身近な北海道の植物たちII(1998年)

10.エゾゴマナ

 秋になると野山や道ばたでよく見かける、キクの花に似た白い花はエゾゴマナ(Aster glehnii)です。東北地方北部から北海道、南千島、サハリンに分布するキク科の多年草で、北海道ではごく普通に見られる秋の花です。エゾゴマナは、本州でよく見られるゴマナ(A. glehnii var. hondoensis)よりも全体的にやや大きく、短毛が多いのが特徴です。和名は、芽出しのようすがゴマの若い芽に似ている、あるいは葉の形が似ているといったことからゴマナ(胡麻菜)と名付けられ、北海道に多いことからエゾがついたと思われます。

 エゾゴマナは、高さ1〜1.7mで直立し上部で少し枝分かれします。長く太い根は地中を横にはっています。葉は長さ10〜17cmの先のとがった長楕円形をしており、縁にはあらい鋸歯があってギザギザしています。葉の両面に細かい毛がたくさん生えており、裏面にはふつうは腺点(葉の裏などにあるごく小さな分泌腺のことで、ルーペで観察したり、葉を日に透かしてみると、多数散在する細かい点として見えます)があります。この葉は茎に互い違いについていて(互生)、上のものほど小さくなり、先端のほうでは細い線形となります。8〜9月ごろ茎が小枝に分かれ、先端に直径1.5cmほどの花を多数つけます。この花は一見ひとつの花に見えますが、頭状花序(=頭花)と呼ばれ、多数の小さい花が集まってひとつの花をつくっています。エゾゴマナの頭花の場合は、 2つのタイプの小花から構成されおり、中心の黄色に見える部分は筒状花(とうじょうか)の集まったもので、そのまわりを囲んでいる白い花びらの部分は舌状花(ぜつじょうか)の集まったものです。

 このほか秋の北海道の山野でごく普通にみられる野生のキクの仲間には、シラヤマギク(花は白色)、エゾノコンギク(紫色)、ユウゼンギク(紫色、帰化植物)、ネバリノギク(紫色、帰化植物)などがあります。いずれも植物園内の草本分科園で見ることができます。

エゾゴマナ
(Aster glehnii)

筒状花と舌状花