シリーズ8・園内で見られる身近な北海道の植物たちII(1998年)

7.ユキザサ

 ユキザサ(Smilacina japonica)は、5〜7月にかけて雪のように真っ白い花をつける高さ20〜50cmのユリ科の多年草です。開いた葉の形が笹に似ており、花が咲くと笹に雪が積もったように見えることから、この美しい名前が付いたといわれています。北海道では「アズキナ」とも呼ばれますが、これは茎がアズキ色をしていることや、若芽をゆでた時の匂いが小豆を煮ている時の香りに似ていることに由来しているようです。

 春は日当たりが良く夏には薄暗くなる、丘陵地帯から低山地帯の落葉広葉樹林の下にしばしば群生しているのを見ることができます。日本列島全域、朝鮮、アムール、ウスリー、中国内陸部に広く分布しています。地下をはう根茎は、直径4〜7mmあり、節の部分で多少盛り上がっており、早春にエンピツぐらいの太さの芽を出します。この芽は林の中にピョンピョンと直立して出てくるためか、「ピョン」と呼ばれることもあります。大きくなると地上部は直立し上部はやや斜めに傾いて、だ円形から卵形の葉を5〜7枚ほど交互につけます。この葉は、長さ6〜15cm、幅2〜5cmで、縦に葉脈が走っています。全体にざらざらした粗毛が生えており、上の方の葉や葉の裏側の脈の上、花軸で特に毛深くなっています。花は、6枚の花びら、6個のおしべ、先が浅く3つに割れた1個のめしべからなる直径7mmほどの白い花で、これが多数集まって茎の先端につきます。花が終わると、直径5〜7mmの球形の液果(水気の多い果実)をつけます。初めは緑色に紫の斑点をもっていますが、熟すと赤くなります。種子は、直径約3.5mmで扁円形をしています。

ユキザサ
Smilacina japonica