シリーズ8・園内で見られる身近な北海道の植物たちII(1998年)

9.エゾミソハギ

 エゾミソハギ(Lythrum salicaria)は、8月ごろに鮮やかな紅紫色の花をつけ、高さ50〜150cmになるミソハギ科の多年草です。エゾの名が付いているように北海道で多く見られますが、南は九州南部まで分布し、インド北部、ユーラシア大陸、北アフリカ、北アメリカの温帯などにも広く分布しています。姿がハギに似ていて、ちょうど旧暦のお盆のころに咲き仏前に備えられる花でもあることから、蝦夷禊萩(エゾミソギハギ)といわれていたものが略されて、「エゾミソハギ」になったといわれています。野生では日の当たる湿った場所や水辺に生育していますが、丈夫で作りやすく株分け、さし芽などでもよく殖え、家庭の庭や花壇で簡単に育てることも出来ます。また、仏花用に切り花としても栽培されています。

 エゾミソハギは、本州でよく見られるミソハギよりも大型で、全体に突起状の短毛を持つのが特徴です。茎は4または6角柱で直立し、よく分枝します。葉は長さ5〜8cm、幅0.6〜1.5cmで細長く、1節から1〜3枚、茎を抱くようにしてつきます。根は木質で硬く、地中を横に這います。花は直径1cmほどで、葉のわきに3〜5個づつ集まって咲くので、枝先は穂のように見えます。花びらは紅紫色で6〜8mmで6枚、めしべは1本、おしべは長いものと短いものが各6本づつからなる計12本で、めしべとおしべの長さの組み合わせにより、次の3つの花型があります。・めしべが、長い方のおしべよりも長い花、・めしべが、長いおしべと短いおしべの中間ぐらいの長さの花、・めしべが、短い方のおしべよりも短い花で、この花型は株によって異なっており、自家受粉(個体自身の花粉が自分のめしべに付いて受粉すること)を防ぐ仕組みと考えられています。

 植物園内では、草本分科園や湿生園で見ることができます。

エゾミソハギ
(Lythrum salicaria)
花型