盛夏の果物の王様といえば、やはり真っ赤な果肉にシャキシャキした歯ごたえのスイカ(Citrullus vulgaris)でしょう。熱帯アフリカ原産のスイカは世界中の熱帯から温帯で広く栽培されている一年生のつる植物で、ウリ科スイカ属に分類されます。長さ4〜6 mにもなる茎は良く分岐しながら地面をはい、節には巻きひげを生じます。全体に粗毛があり、深く羽状に裂けた長さ10〜18?の葉を交互につけます。花は雌花と雄花があり、同じ株についてどちらも直径3.5?前後の淡黄色です。雄花の花粉はおもにミツバチによって雌花へ運ばれ、雌花の下部の膨らみは20〜40日で球形または楕円形の果実になります。果皮は緑の地色に黒い縦縞模様を持つものが一般的ですが、品種によって暗緑色から黄色のもの、縞模様が現れないものなど非常に変化に富み、また果肉も紅色、淡紅色、黄色、クリーム色、白色など多様です。大きさも1〜3?の小玉から15?にもなる大玉まで幅がありますが、最近では冷蔵庫に入る大きさと家庭で消費できる量から3?前後のものが主流となっています。
種子は8〜13?、黒褐色から白色をしており一玉につき普通500〜800粒も含まれていて食べる時になんともわずらわしい存在ですが、 4000年以上前の古代エジプトの壁画からは果肉ではなく種子を食べるために栽培していたことがうかがえます。果肉を食するようになったのは、地中海地方や東アジアに伝わってからのことです。10世紀ごろにシルクロードを経て中国に伝わり、西域より来た瓜ということから「西瓜」と名付けられ、この唐音(スイクワ)が転化して「スイカ」となりました。日本への伝来については諸説ありますが、寛永年間(1624〜43)に長崎に入ったという説が一般的です。中国では種子を「瓜子」と言い、料理の前菜やお菓子として賞味します。種子を食べる習慣がない日本では、戦後間もなく「種なしスイカ」の作出に成功し世界的に有名になりましたが、栽培や品質、食味において未だ問題点が残されています。
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