シリーズ10・園内で見られる身近な北海道の植物たちIII(2000年)

16.ススキ

 ススキ(Miscanthus sinensis)は日本の秋を代表するイネ科ススキ属の大型多年生草本で、十五夜には昔から月見団子とともに欠かせないものとなっています。風になびく穂が、けものの尾のように見えることから尾花(オバナ)と呼ばれ秋の七草の一つに数えられるほか、この草を刈って屋根を葺(ふ)き、かやぶき屋根としたことからカヤとも呼ばれます。このようにススキは古くから日本人の生活にとって身近で、関わりの深い植物であるといえるでしょう。名前の由来は、「すくすくとのびる木(草)」という意味から名付けられたとする説や、神楽に用いる鳴り物用の木「スズの木」を意味しているといった説など、諸説があります。学名にあるsinensisは「中国産の〜」を意味し、その名の通り中国、朝鮮、台湾から東アジアにかけて広く分布しており、日本でも各地の火山灰地や砂丘、山野、荒地など至る所に多く見られ、しばしば大群落を作ります。

ススキは毎年春に地中に残った根から新芽を出し、草たけ1〜2mにもなります。茎は根元から多数集まって出るため大きな株となります。葉は長さ50〜80?、幅6〜22?の扁平で細長く、茎の節にそれぞれ互生してつき、先端は垂れ下がります。葉の中央にはよく目立つ白い脈があり、裏面はやや粉白し、縁にはざらざらした固い鋸歯があるのでうっかり触ると手が切れてしまいます。8月から10月にかけて、茎頂から長さ15〜30?の10数本1束からなる花穂枝を出します。この枝には、長さ5〜7?、披針形をした黄色っぽい小穂が基部から先端まで密生しています。小穂の基部には長さ7〜12?の白から淡紫色をした絹状の毛があり、また先からは小穂の約3倍もの長さで、途中「く」の字型に屈折した芒(のぎ)が突き出しています。穂の色や葉の広狭、模様の有無などの形態から多数の変種に分けられ、中でも葉の狭いものや葉に美しい縞や斑の入ったものが観賞用として栽培されており、生け花の素材などに使われます。

ススキ
Miscanthus sinensis

小穂