子供たちの夏休みが始まりセミの鳴き声が響き渡るころに、日当たりのよい河原の土手や荒れ地を黄金色に飾るのは、北アメリカ原産でキク科のオオアワダチソウ(Solidago gigantea var. leiophylla)です。アキノキリンソウ属(Solidago)としてまとめられるこの仲間は、北半球の温帯を中心に約100種あるといわれ、その多くは北アメリカに分布しています。この属の植物は黄色の小さな花が多数集まって大きな花序をつけることから、アメリカではGolden-rod(金の鞭)と呼ばれます。属名のSolidagoはラテン語の「完全にする、合着する、固くする」の意で、ヨーロッパでは古くから傷薬として用いられたことに由来します。日本や朝鮮半島の山地に自生するアキノキリンソウ(S. virgaurea var. asiatica)はアワダチソウ(泡立草)とも呼ばれ高さ30〜80cmくらいですが、北アメリカ原産のセイタカアワダチソウ(S. altissima)は、高さ1〜2.5mにもなり種小名altissimaは「非常に高い」を意味します。セイタカアワダチソウは旺盛な繁殖力で知られ、種子をたくさん作るうえに地下茎を伸ばして増えるほか、アレロパシー(他感作用)と呼ばれる、根から一種の生育阻害物質を出して他の植物の生育を抑える働きを持っています。
オオアワダチソウの名前はアキノキリンソウに似ていて、大型になることに由来しており、種小名のgiganteaも「巨大な〜」を意味します。茎は太さ5〜7mm、直立して高さ1〜1.5mになります。全体に緑紫褐色を帯びていて、枝先にわずかに毛がある程度でほとんど無毛です。長さ約15cmの細長い葉は濃緑色でやや粉白を帯び、縁はギザギザしていますが柔らかい感じがします。変種名leiophyllaは「なめらかな葉の〜」を意味します。花期は7〜9月で、日本には明治中期に渡来し庭園に植えられたものが広く野生化していますが、セイタカアワダチソウのような勢力はありません。国内では北日本にオオアワダチソウが多く、東北以南にはセイタカアワダチソウが多いとされています。セイタカアワダチソウはオオアワダチソウに少し遅れて開花します。
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オオアワダチソウ
(Solidago gigantea var. leiophylla)
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