シリーズ11・北海道で見られる帰化植物たちI(2001年)

5.ユウゼンギク

 照りつける日差しの中にも涼しい風が吹きはじめるころ、野山や道端で紫色の花を付けるのはキク科のユウゼンギク(Aster novi-belgii)です。野菊の趣がありますが、花色が友禅染めのように美しいことからこの和名が付けられました。原産は北アメリカで、英名はNew York Asterです。茎はよく分枝して高さ30〜150cmになり、茎・葉ともに毛はほとんどありません。長さ5〜15cmの長楕円形の葉はやや厚く光沢があり、茎の下方につくものには短い柄がありますが、中部より上では柄が無く、基部がややハート形になって茎を抱きます。9〜10月にかけて直径約 2.5cm、青紫色から紫色の頭花を多数つけ、時には白花もあります。日本に渡ってきたのは明治から大正のことで観賞用として花壇や切り花に利用されますが、丈夫で作りやすい耐寒性の多年草のため栽培されていたものがしばしば逸出し各地に広がっています。また多くの園芸品種が育成されて様々な花色や、一重・半八重・八重咲き、小輪・大輪、草丈の高・低など変化に富んでいます。

 ユウゼンギクによく似て高さ60〜200cmと大型になるネバリノギク(A. novae-angliae)は、英名New England Aster 、アメリカシオンとも呼ばれます。茎葉に軟毛が多く粘り気があることからこの名前が付けられました。8〜10月にかけて、直径約4cmとやや大きな赤紫色の頭花をつけます。ユウゼンギクと同時期に日本に持ち込まれ、多くの園芸品種が出回っており庭や花壇に植えられますが、花や葉がしおれやすいため切り花には適していません。

 シオン属(Aster)としてまとめられるこれらの仲間は、北半球を中心に世界に約400種、特に北米に250種あり、日本には17種が自生しています。園芸上、一般に「アスター」と呼ばれ夏の切り花として重宝されるのは一年草のエゾギク(Callistephus chinensis)のことで、これと区別するためにシオン属の園芸品種は「宿根アスター」と呼ばれます。

 園内の草本分科園で見られるシオン属にはユウゼンギク、ネバリノギクの他、シラヤマギク、エゾノコンギク、エゾゴマナがあります。

ユウゼンギク
Aster novi-belgii