シリーズ12・北海道で見られる帰化植物たちII(2002年)

10.オオハンゴンソウ

 太陽がさんさんと輝くころ、列車から眺める景色の中で目を引くのは、線路脇一面に咲き乱れるオオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata)の黄色の花です。線路沿いのほか、やや湿り気の多い野原や道ばたに群生し、ときには高さ3mにもなる大型の多年草です。北アメリカ原産で明治時代中期に観賞用として渡来しましたが、耐寒性が強く非常に丈夫なことから、北海道を中心に広く各地に野生化しています。和名は大反魂草で、同じ頃に黄色の花をつける在来種のハンゴンソウ(Senecio cannabifolius)に丈や葉の形が似ていて、花が大きいことに由来しますが、この2種が系統的に近縁という訳ではありません。

 茎は、直立して高さ1〜2.5mになり、上部でよく枝分かれしています。葉は互生し(互い違いに付く)、裏面には短い毛が生えています。特に茎の下方に付く葉は長さ30?以上にもなる大型で、柄も長く、5〜7個の羽状に深く裂けています。これに対して上に付く葉は長さ15?ほどで柄は無い、もしくは有っても短く、3〜5個に裂けていますが最上の葉にだけは切れ込みがありません。8〜9月にかけて茎の先端に付く直径5〜8?の頭花は、黄色の花びらがやや下向きに付き、緑黄色の中心部分は花が咲き終わるにつれて徐々に盛りあがって円錐形となります。

 オオハンゴンソウと同じ仲間のキヌガサギク(R. hirta var. pulcherrima)も、北海道、東北地方を中心に広く帰化している北アメリカ原産の多年草です。高さは0.5〜1mとオオハンゴンソウに比べて小型で、葉に切れ込みはなく、オレンジがかった黄色い花の中心部は、紫黒色をしています。茎や葉に毛が多いことから、アラゲハンゴンソウとも呼ばれます。キヌガサギクから改良された園芸品種のルドベキア‘グロリオサ・デージー’(R.‘Gloriosa Daisy')は、直径15?もの大輪をつける一年草で、花期が長いことから夏の花壇や切り花として広く栽培されています。オオハンゴンソウとキヌガサギクは草本分科園で、ハンゴンソウは北方民族植物標本園で、それぞれ見ることができます。

オオハンゴンソウ
Rudbeckia laciniata