施設の概要〔沿革〕本実験所は、1927年(昭和2年)に洞爺湖漁業協同組合が建設した姫鱒孵化場を、1936年(昭和11年)に当時の函館高等水産学校に寄附されたもので、1966年(昭和41年)に“北方域における魚類の増殖と陸水学的研究・実験及び実習”を目的として北海道大学水産学部附属洞爺湖臨湖実験所となり、2001年(平成13年)4月に北方生物圏フィールド科学センター洞爺臨湖実験所となった、北方圏の国立水産系大学の臨湖実験所としては唯一の施設である。〔施設〕約1km2の敷地内に、1974-1975年に建築された管理研究棟(528m2)があり、学生実習室(40名使用可能)、生化学実験室、組織学実験室、暗室等がある。1997年3月に宿泊施設(8名宿泊可能)が設置された。 養魚施設としては、孵化室(1927年建築、1999年改築)、FRP水槽(1976年設置:1.6×3.7m、4基;直径1.6m、16基)、Y字水路(2000年設置:0.6×15m)、大型円形水槽(2000年設置:直径5.0m、3基)がある。飼育水は、文部省および財団法人水産奨励会が所有する約0.5km2の水源涵養林からの湧水(40トン/時)を使用して、ヒメマス、サクラマス、ニジマスの各年級群を飼育している。 ![]()
〔地域の環境〕 洞爺湖は二級河川長流川水系に属する、湖水面積約70km2、最大深度179m、平均深度116mの火山性カルデラ湖であり、中央に4島からなる中島があり野性エゾシカが生息している。湖畔は、南岸に20-50年おきに噴火を繰返す有珠山(最近の噴火は2000年)、南西岸に道内有数の洞爺湖温泉がありがあり、他は農業用地として利用されている。湖水は、1939年から水力発電のため、強酸性の硫黄鉱山廃水を含む長流川の水を導入したためpHが低下し、1970年にはpH5になり生息魚類数が激減した。1973年から炭酸カルシウムと消石灰による中和処理を行い、現在はpH7前後である。この他、湖水は農業用灌漑用水および飲料水として利用され、公共用水域に指定される環境保全上極めて重要な湖である。 内水面漁業としては、ヒメマスとワカサギが洞爺湖漁業協同組合と遊漁者により漁獲されるが、両魚種の漁獲高は年変動が大きく、変動要因の解明が待たれている。また、湖沼型サクラマスも生息し少量漁獲されているが、生活史および資源量等、不明の点が多い。この他、アメマス・ニジマス・エゾウグイ・コイ・フナ・ヨシノボリ・モクズガニ・スジエビが生息する。動物プランクトンは、Cyclops strenuus・Daphnia rosea・Bosmina coregoniの3種が優占種である。 実験所前の湖岸において毎日、湖水観測(水温・pH・溶存酸素・濁度・電導度)と気象観測(気温・最高最低温度・雲量・風向・風力・雨量)を行っている。 〔主要設備・備品〕 〔舟艇〕3隻
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