研究成果報告 8th report-



北海道南部函館市臼尻沿岸から得られた5種の魚類
(Records of five species from off Usujiri, southen Hokkaido, Japan (Pisces: Teleostei)

鶴岡理・山中智之・阿部拓三・武藤文人・宗原弘幸・矢部衛・仲谷一宏


出典: 北海道大学水産科学研究彙報, 58(3): 43-50.


要旨: 北海道南部の渡島半島東南端に位置する臼尻沿岸は、親潮表層水と温暖な津軽暖流水の両方の影響を受け、豊かな魚類相を形成する。
     本海域の魚類相については、20年前に、それまでの20年間の調査をまとめ、26目111科320種が報告された(Amaoka et al., 1989)。
     その後も新種、初記録種などの報告がなされている(Yabe & Maruyama, 2001; Miyahara et al., 2004; 鶴岡ら, 2006, 2007;
     Tsuruoka et al., 2008)。 本論文では、近年採集された3種(エビスダイ、サイトクビレ、ラウスカジカ)と北大水産科学研究院魚類体系学講座
     に所蔵されていた標本から新たに発 見された2種(マゴチ、トンガリギンポ)、合計5種について、標本に基づき記載する。
     本研究により臼尻周辺海域から記録され、標本が保存されている 魚類は、26目112科、329種になる。



エビスダイ(2006年に定置網で採取)



マゴチ(日本海には未記載種のマゴチ属が2種分布する。そのうちの1種)



ラウスカジカ(2006年に羅臼産などの標本をもとに新種記載された。本標本は南限記録)



サイトクビレ(成魚は臼尻で初記録)



トンガリギンポ(太平洋岸における南限記録)

追記:本報告は、標本に基づく調査結果として未来永劫に渡り、論文に記録しました。ここで報告された5種だけでなく、
    魚類相よりも特定魚種の生態研究や食文化に興味のある過去の臼尻院生により、リュウグウノツカイをはじめ、
    キュウセン、スズメダイなどが臼尻沿岸に分布することが記憶されています。「食べる前に確かめる」、大事ですね。

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