北洋航海を終えて
                                                                 文責:山ア




月刊臼尻で記事を書くのは初めてです。OB・OGのみなさま、はじめまして、4年の山アです。
6月2日から7月31日まで、臼尻初!北洋航海に行っていました。
でも今は9月初旬…もうそろそろ記憶も薄れつつありますが、頑張って思い出しながら書いていこうと思います。


まず、6月2日。
この日は盛大に出航式が行われました。

…の前に、臼尻組4年の2人に忘れ物の長靴等を持ってきてもらいました。
そのときの格好が下↓

ウオレンジャーのスーツを着て登場。
暑かったのに、本当にありがとう!!

出航式が終わるといよいよ出航。


出航した次の日から観測が始まります。
今回の航海では、Leg1-3の3つに分けられていて、Leg1ではグアムまででROVとウナギ、2ではダッチ入港までで流し網、3では観測がメインメニューでした。
私の仕事はアリューシャン列島付近で稚魚ネットを曳いてカジカの稚魚をサンプリングすることでしたが、Leg1からお手伝いをすることに。

稚魚ネットは日没後1時間くらいに10分程度曳きますが、南下するにつれてとれる生物相が変化してとってもおもしろかったです。南ではサイズが小さくなるとか、暖海性の稚魚が入るとか。
船には臼尻OGの阿部拓三さんが航海士として乗船されていて、おもしろい生き物や何か分からないものが入ったときにはブリッジまでシャーレごと持って行って、この生物が何であるかや特徴を教えていただいてとても勉強になりました。
 
初めのほうで捕れた稚魚たち。                      しょうゆ漬けにされたアナゴのレプトセファルス。おいしかったそうです・・・


船での仕事はそれだけではありません!
学生(4年生)には“ワッチ”という楽しい仕事もあります(初めのうちは辛かったけど・・・)。
ワッチは、ブリッジで見張り、ログ、気象通報、点鐘、海図の位置入れ等の仕事を2、3人でします。
最初のうちは、4時間交代のワッチが辛くて辛くて大変でした。
ブリッジに行ったら船酔いするし、4時間立ちっぱなしで足むくむし、睡眠時間短いし・・・
でも船酔いは5日で克服して、そこからやっとワッチに慣れて楽しくこなせるようになりました。
Leg3から操船もやらせてもらえました。
船をコースに乗せるのは、波やうねり、風向、海流などいろいろ考えないといけなくてとても難しいですが、できるようになるとすごく楽しかったです。
ワッチ中には運がよければ海獣に出会えることも!写真はシロナガスクジラ(撮影は北洋研の村松くん)


さて。船が南下するということは気温が高くなりますよね?
 ・目的地はグアム。
 ・南の島。
 ・6月中旬あたり。
北海道は寒くても、南は暑いんです!
部屋はクーラーが効きますが、ブリッジはクーラーなんて役に立ちません。
そんな中、気象通報が全問正解(とっても難しい!)orその時の航海士の気分(!?)によりご褒美が!

そうです。カキ氷です!
暑い部屋で、冷たいカキ氷を食べられるなんて幸せです。
ちなみに、この時は朝5時くらいに航海士の気分によってゲットしました。
そしてこの後にはさらに部員さんからアイスをもらいました。なんてラッキー!
キャプテンに見つかって呆れられてしまいましたが・・・


ここで操業の話を。

北洋航海での操業は、中層トロール、流し網(サケ・マス、サンマ)、延縄です。
まず、中層トロールから。
Leg1では、ウナギの産卵場所を見つけるためにマリアナ海溝付近の水温、塩分、密度の観測のほかに中層トロールを曳いて親ウナギを捕獲する作戦でした。
トロールは、21時に投網、翌朝6時に揚網の約9時間曳網。
3年の時の釧路沖実習と同じくらい、網いっぱい取れるのかと思いきや、捕れた量はわずかパン4,5杯分。
昼間に3時間曳いてもやっぱりパン1杯しかとれず。
ここでも南と北の資源量の違いにびっくり!
結局、ウナギは捕れませんでしたが、とても良い深海魚の勉強になりました。
 
投網                              揚網
サードオフィサーによるお魚教室

流し網では、サケマスのほかに、エチオピアやカタクチイワシ、サンマ、トビウオもよくとれました。
流し網にかかった魚をとる時、舞台は一瞬にして戦場に変わります。
気を抜いていると魚が顔面に直撃!!・・・なんてことは私はありませんでしたが、周りではしばしば鈍い音が・・・
ここで獲れたサケマスは、下船時にいくつかお土産にもらうことができました。

延縄は流し網でサケマスがあまり獲れなかったので操業をすることになりました。
流し網も延縄も、授業でしか聞いたことのないものを実際に体験すると、これらの仕組みが本当によく分かります。
こんな知識ばかり増えてしまうとおじいちゃんあたりに「将来は漁師にでもなるんかいな」と言われてしまいそうです。


私の研究のサンプルとなるカジカの稚魚たちは、この時期にどこに分布しているのか情報がなかったため、おととしに多く獲れた海域のアリューシャン列島沿岸でサンプリングしようということになりました。
他のスケジュールも込み合っていたため、稚魚ネットを曳いてもらえるのは2日間のみ!徹夜でみんなに手伝ってもらったのですが、結局カジカの稚魚は見つからず・・・
サンプリングできなかったことは残念でしたが、「研究はいつも上手くいくとは限らないんだから、最初のうちにこういう体験ができたのは幸運だよ」という言葉をキャプテンからいただくことができ、また、多くの人に協力してもらうことができて、本当によかったと思います。感謝です。

すっかり忘れてましたが、今回の航海、寄港地はグアムとダッチハーバーでした。南と北です!もって行く服の量が多くて大変でした。
島!もうすぐ上陸だよ。

グアムといえばビーチ。写真はタモンビーチ。

スーパーできれいに並べてあった魚たち。南の魚だなー。

続いてダッチハーバー。
入港前のサードオフィサー。無線で英語で会話してます!

教会。残念ながらこの日はもう閉まっていました。

釣りにも行きました。写真は偉大なる大地との戦いの末勝利した図。魚釣ろうよ〜

ダッチガラスと呼ばれる白頭ワシ。アメリカの国鳥なのに止まっている所は・・・?

この他にも、磯観察ツアーや、バーベキュー、日水の工場見学などいろいろありました!
自分的には、グアムよりも大自然いっぱいのダッチのほうが楽しかったです。
海と山以外には人工施設がほとんどないという点は臼尻とよく似ているのかも??


60日もあったのに、いざ文にしてみると内容の薄さにびっくり。
この記事を読んで下さった方々に北洋航海の面白さが少しでも伝わりますように。


最後に、北洋航海に行くことを快く承諾してくださった宗原先生、サンプリングの際に多大なる協力をしてくださった阿部拓三さん、おしょろ丸の船員さんに心より感謝いたします。ありがとうございました。



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