ぼくの卒論

文責 五十嵐

初めに先生にいくつかのテーマを見せられ、選んだのが

「アイナメの巣におけるアイナメ×スジアイナメ雑種の雑種生殖頻度」・・・

自分で選んでおきながら意味がわからん・・・

F1雑種って何?

話を聞いているうちに、臼尻の周辺海域ではハイブリドジェネシスという世界でも極めて例の少ない繁殖様式が行われているという事実を知りショックをうける。

それがなんと、あの釣りでおなじみのアイナメ達によるというから驚きである。

釣れるとうれしい。

黄色い。

アイナメに対して、その程度の認識しかなかったぼくは混乱した。

しかも、そのハイブリドジェネシスの仕組みをH田さん(M1)に聞くが、難しくて何回聞いてもわからない。

そういえば「遺伝」の話聞くのって、受験の時以来か?

「なんで生物科なのに、遺伝やってないの」

と先生。

「それは北大のカリキュラムつくる人に言ってください」

とは言わずに、すみません、と言って

ぼくは高校の資料集を開いた。

・・あれ、ハイブリドジェネシスが載ってない!ま、高校レベルじゃ仕方ないか・・

ぼくはレーヴンジョンソンを開いた。

・・やっぱり載ってない!堀田さん、載ってないです。

話を聞いていると、ただでさえ珍しい例で、しかも魚類では世界初!!の発見であるため、教科書にはなかなか載っていないらしい。

がぜんやる気のでたぼくは、がんばって勉強するぞ、と意気込んだ。

直後、ぼくは就活の真っ最中である事に気づいた。

まずい、

夏の実習、秋のサンプリングあたりから忙しくなると聞いていたので、勉強するなら今しかない。

そこで、就活のあいまに論文を読むことに決め、実家から電子辞書を取り寄せた。

昨年45月に東京駅のスターバックス八重洲北口店でスーツを着て英語をつぶやいている男を見かけた方、それはぼくです。

そんな事をしている間に夏になった。

研究はひとまず置いておいて、臼尻漁港で船こぎのレースに出てみたり、函館の小学生とシュノーケルをして遊んだりしている間に秋になった。

さて、いよいよサンプリングが始まった。

大事な卵を無断で持って行ったり、オス親を水中銃で無駄に脅かしたりして、向こうからしたらただの邪魔者でしかないだろう。しかしこちらからすると、大自然で生きているそのままの生き物たちと、顔見知りになったり噛み付かれたりと、濃いぃおつき合いができたと思う。ありがとうございます。

たのしいサンプリングの後はひたすらDNAの抽出、PCR、電気泳動を繰り返した。

これを無心で続けていると、たまに悟りの境地に達する時がある。

気づいたら作業が終わっているのである。

座禅なんか組まないでDNA解析すればいいのにって思う。

実際に、あれこれと考えながら作業をすると失敗する。

どこまで試薬を入れたかわからなくなる。

一度、実験にも音楽が必要だと考え、部屋にCDラジカセを持ち込もうとした時期もあったが、なにしろ歌のほうに集中してしまうのと、PCRの途中にブレーカーが落ちる危険性があるという事で、これは本当にまずいと思い、やめた。

結果は、雑種が存在してハイブリドジェネシスを行っているのは間違いないが、

雑種1世代目は現在生まれていないというものであった。

じゃあそれはなんで?という事については想像の域を出ないので

今後の臼尻実験所に期待しましょう。

もう月刊うすじりから目が離せませんね。

結果が出た後は、最終発表に向けてスライドをつくる。

発表練習のたびに、ハイブリドジェネシスの説明。

臼尻、北洋研のみなさん、聞き飽きましたね。申し訳なかったです。

ぼくもしゃべり飽きました。

ただ今思うと、間違った説明無駄な説明が多々あり、もっと練りに練った発表をすべきだったなと反省し通しです。

研究室の配属のときに臼尻を選んだのは、特にアイナメが好きで好きでたまらなかったという訳ではなく、漠然と、ナマの生き物と触れ合いながら研究がしたいなぁ。くらいに考えていたからです。

終わってみれば希望通り、アイナメから小学生までいろんな生き物と触れ合い通し。

ここでしか経験出来ない1年間だったと思います。

また研究を進めるにあたって、いつも人から教えてもらってばかりでした。適切な助言を下さった臼尻、北洋研のみなさま、先生方、ありがとうございました。

とはいえ、提出までが卒論ですので、まだまだ油断は出来ません。

実験もまだ終わっていませんので、これにて失礼いたします。

  

ご清聴ありがとうございました。




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