東海大学院生が見た臼尻の風景

文責:成田英毅

 

2011311日 東日本大震災が発生

 

 

この震災での影響は静岡県の東海大学在学の僕にも大きな影響を与えました。

それまで利用していた実験施設である岩手県の大槌町内にある東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センターが震災時に発生した大津波で壊滅的な被害を受けてしまったのです。

幸い施設の方々は皆無事というご連絡を頂きましたが、施設は当分使用することができなくなってしまいました。

僕は、昨年に研究対象の生物であるシワイカナゴの行動観察実験を行うためにこの施設を利用していました。

しかし、この津波での壊滅的な被害により、実験施設は使えなくなり万事休すの状態となってしました。

そこで、僕の教授である赤川 泉先生が、北海道大学の施設をお借りし、実験を行うという計画を僕に持ち込んできました。

僕もシワイカナゴの本場である北海道でなら実験を続けられると思い赤川先生を通して宗原先生にお願いをしたところ

 

「成田くんOKだって!!」

 

これで僕の人生初の北海道行きは決定したのでした。

今思えばこれも何かの御縁だと思っています。

 

 

 

とまぁ以上のような理由で201156日〜621日まで北海道臼尻水産実験所でお世話になっていました。

東海大学海洋学研究科水産学専攻2年の成田 英毅と申します。

ちなみに遥々静岡から車で北海道にやってきました()

僕は、先ほど書きましたが、シワイカナゴの行動観察実験をするために北海道大学臼尻水産実験所にやってきました。

シワイカナゴの過去の研究では、僕の教授である赤川 泉先生と北海道大学の出身である成松 庸二博士しか研究報告がありません。

そんな中、シワイカナゴは普段は大きな群れをなしている魚なのですが、繁殖期になると1個体だけが群れを離れ、婚姻色を呈し、ホンダワラの仲間の海藻の周辺に縄張りを作り、雌を求愛して、産卵、その後、縄張り雄は約30分ほど卵保護をすることが報告されています。

また、雌の後ろを付きまとっている群れ雄(非縄張り雄)は産卵の際にスニーキング(盗み放精)をします。

ここで、一般的に縄張りを作る魚類は大型個体であることが報告させていますが、シワイカナゴではそれに当てはまらないことが報告されています。

そこで、僕の目的は、シワイカナゴではどんな個体が縄張り雄になるのかを調査するために行動観察実験を行うために臼尻水産実験所にやってきました。

外部の実験施設にお世話になるのは2度目です。

それでも初めて実験施設に到着したときメチャクチャ緊張していました。

車を降りたその時以前から個人的に深い交流があった阿部拓三さんとバッタリ()

笑顔で「今着いたの〜?」と僕に言ってくれたおかげでメチャクチャ緊張が解れました。

その後、宗原先生に御挨拶をし、施設をご案内させて頂き、色々と準備が始まっている頃に北大生の皆さんひとりひとりに自己紹介し、僕の北海道生活が幕を開けたのでした。

 

北大生の皆さんや施設の方々は僕を本当に温かく迎えてくださいました。

一緒にご飯を食べたり、お酒を飲んだり、グラントスカルピン激励会に参加したり(この時、長明さんとは2年ほど前に志津川で潜らせて頂いたことがありました。しかも僕のことを覚えてくれていたという奇跡的な再開を果たしたのでした)、ひろめ祭り等のイベント等に一緒に参加したり、64日生まれの僕を盛大に祝っていただいたり、温泉に誘ってくれたり、外食巡りをしたり、コンビニで奢りジャンケンしたり、臼尻の海で共に潜ったり、写真を見たり、北海道の魚について学生と論議したり、一緒になって水槽を立てたり、宗原先生のゼミに参加させていただいたりと語りつくすことのできないほどの思い出を作らせて頂きました。

その御蔭もあり、僕自身も心から楽しい毎日を過ごすことができたと感じることができました。

実験の方は、目標にしていた例数に達する前にシワイカナゴの繁殖期が終わってしまい、採集ができなくなってしました。

それでも、宗原先生や施設の方々のご協力の下とても貴重なデータをとることができたと思っています。

あとは自分のまとめ方次第だと思っていますので、頑張っていこうと思っています。

 

 

1月半と非常に長い滞在期間ではありましたが、こんなに濃密だった1月半は経験したことがありませんでした。

正直な話、臼尻実験所を発つのはとても心が痛みました。

気候的な意味もありますが…静岡はメチャクチャ熱いんですよ()

北大生の皆さんの中には「ここで修士とっちゃいなよー」と仰ってくれる方もいました。

本当に名残惜しく感じます。

ですが、僕が北海道を発つことは「さよなら」ではなく「また会おうね」という意味が込められていました。

本当に僕にはもったいないぐらい北大生の皆さんや施設の方々は僕を本当に温かく迎えてくれたのだなと心から実感できました。

これからも北大生の方々と個人的な交流を行っていく予定です。

静岡のミカンを送ったり、標本を頂いたり、画像を交換したり、静岡に遊びに来て頂いたときに一緒に潜ったり等々…。

なんか一生の友達ができた気分でとても嬉しく感じます。

 

まぁそんなこんなで北海道大学臼尻水産研究所の皆さん本当にありがとうございました。

こんなに楽しく実験ができ、たくさんの思い出を作ることができ、最後の最後まで笑顔で実験所を発つことができたのも皆さんが僕を温かく迎えてくれたからだと心から感じています。

お互い遠く離れてはいるけれどこれからもどんどん交流していきたいと思いますので何卒よろしくお願いします。

また機会があれば北海道か静岡で潜りましょう。

いつかまた会えるその日まで





おまけ写真



…もう一枚!





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