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「飛べない烏」
(撮影:佐藤長明)

天気の良いある日のこと。

草刈り機で実験所周りの草を刈っていた技官の宮島さんが何やら慌てている。
どうしたのかと思ったら、草の間にカラスのヒナがうずくまっていたそうだ。

危うく首をちょん切られそうになったヒナであるが、巣から落ちてしまったのだろうか?
近くで親鳥が必死に鳴いていた。

例のごとく、撮影会を行った後、このヒナは親鳥に連れられて宮島さん宅の方へ避難していった…。


翌日以降、実験所宿泊棟玄関(夜)と、実験棟正面玄関(昼)を往復する生活を送っている、との情報が宮島さんより伝えられる。
そして私たちは、一生懸命世話をしている家庭菜園にこのカラスが侵入し、芽生えた苗を踏み散らすのを目撃する。

結構間抜けな子供だったようで、学生が走って正面玄関から外に飛び出したところ、びっくりして落下、地面に激突してしまったそうだ。
(これも宮島さん目撃談)


2週間ほど、こんな生活が続き、愛着がわいてきたところで事件は起きた。


またまた宮島さんが草刈りをしていたところ、実験所によくたむろしている猫が何かを食べている。
赤い塊の周りに黒い羽根が見える・・・

飛べないカラスは格好の餌となってしまった。
弱肉強食そのものの自然の世界はとても厳しい。

日々、死に物狂いで生きていたカラスのヒナのように、
私たちももっと一生懸命生きて研究成果を出さなければならないと、痛切に感じた。



ちなみに、上の写真は松の木に登らされたヒナ。
(誰とは言わないけれど、)足で木の上に追いやっておられました…。



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